研究課題/領域番号 |
23K05995
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大山 恭司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00255423)
|
研究分担者 |
高橋 宗春 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30313125)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | POMC / アストロサイト / Olig2 / Notch / Wnt / 視床下部 / ニューロン / グリア / メタボリック症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
摂食を抑制するプロオピオメラノコルチン(POMC)発現ニューロンは生涯にわたり視床下部で産生され、摂食抑制をとおして体重や血圧の調節に寄与する。高脂肪食摂取(HFD)マウスは脂肪肝、高血圧を呈するとともにPOMC ニューロンの産生低下とアスト ログリア増生を起こすことから POMC ニューロンとアストログリアの産生を統合的に制御するメカニズムの存在やメタボリック症候群との関係が推定される。本研究ではPOMC ニューロンの産生制御に関わるシグナル伝達ネットワークの全容を解明し、それらを操作することによりHFDマウスで見られる病態を予防することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
成体マウスの視床下部においてPOMCニューロンが新生すること、子宮内低酸素曝露によってマウス新生仔におけるPOMCニューロン新生が亢進することを示唆するin vivoデータを得た。また「先進ゲノム」支援を受けて、Visiumによるニワトリ胚(E4-E10)視床下部の空間トランスクリプトーム解析を行なった。その結果、POMCの発現部位とWnt8bの発現部位が負の相関を示すことを見出した。この結果はWntシグナルがPOMCニューロン産生を抑制する可能性を示唆する。さらにマウス視床下部のscRNAseqデータを解析した結果、視床下部のOlig2発現アストロサイトの大多数がGFAP陰性の新規サブタイプであることを見出した。またこれらのデータを免疫染色によって確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ニワトリインフルエンザウイルス流行のため、上半期はニワトリ胚を用いた実験を実施できなかった。マウス実験は概ね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
HIF1a/2aがProx1, POMC遺伝子発現を正に制御することが知られていることから、今後、POMCニューロン新生におけるHIF1a/2aとNotchのクロストークについて解析する予定である。具体的には、ニワトリ胚の視床下部原基をHIF1a/2aの活性化剤DMOG存在下でex vivo培養することで、Notchシグナル系およびPOMCニューロン新生へ及ぼす影響を明らかにする。同様にNotch阻害剤(DAPT)がHIF1a/2aの発現、POMCニューロン新生、そしてOlig2発現アストロサイト産生に及ぼす影響について検討する。さらに独自に得たマウス視床下部のscRNAseqデータを用いて、Olig2発現アストロサイトの遺伝子発現プロファイルをより詳細に解析する予定である。ニワトリ胚の解析結果と照合しながら、遺伝子発現プロファイルが種間で保存されているかについても検討する。そしてScRNAseqデータとVisiumデータの統合解析を目指す。
|