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大脳特異的なPAKシグナル阻害タンパク質によるシナプス形成調節

研究課題

研究課題/領域番号 23K05996
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分46020:神経形態学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

榊原 伸一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70337369)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードinka2 / スパイン / 中枢神経系 / アクチン細胞骨格 / PAK4 / ニューロン / 樹状突起スパイン
研究開始時の研究の概要

我々はこれまでにInka2欠損マウスでは樹状突起スパインの低形成が起きること,Inka2タンパク質がPAK活性中心に結合してそのキナーゼ活性を抑制することを見出した。本研究ではさらにInka2がスパイン動態を調節する分子・細胞メカニズムを詳細に解明し,Inka2がシナプス可塑性で担う役割を明らかにする。そのために,大脳特異的なInka2欠損マウスのスパイン挙動の超微形態解析,行動解析,Inka2が制御する下流シグナル経路をPAKシグナルも含めて網羅的に同定する。さらに自閉症モデルマウスにInka2のPAK結合ドメインを発現誘導させ,未熟スパイン過形成が回復できるか検討し,自閉症などの病態治療にInka2が有用か検証する。

研究実績の概要

正常な脳発達においてニューロンの樹状突起スパインの数や形態のコントロールは神経可塑性の獲得・維持に重要であり,精神発達障害や幾つかの精神疾患では大脳皮質や海馬のスパイン密度の変化や異常な形態変化が起きる。Inka2は成体においては大脳皮質および海馬を含む前脳領域のニューロンに発現し、Inka2欠損マウスでは樹状突起スパインの低形成が起きること,本研究ではInka2タンパク質がPAK活性中心に結合してそのキナーゼ活性を抑制することを見出した。Inka2がスパイン動態を調節する分子・細胞メカニズムを詳細に解明し,Inka2がシナプス可塑性で担う役割を明らかにする。これまでの研究からInka2タンパク質内の33アミノ酸の短いiBOXドメインがPAK4の活性中心に直接結合してキナーゼ活性を抑制する可能性が示唆されている。本年度はこのiBOXペプチドをCAGプロモーター下でP2A配列を介してEGFPと共に発現するAAVベクターを構築してニューロンおよびヒト癌株化細胞に導入し,PAKキナーゼ活性が阻害されるか、スパインの形成に変化があるか検討を行った。さらにInka2 cKO胎仔から調製した大脳皮質ニューロン初代培養に,PSD95-GFPをアデノ随伴ウイルスベクターにより導入し,樹状突起スパインをライブイメージングにより可視化する。その結果iBOX発現はアクチンの重合変化介して細胞形態変化を引き起こす事が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

有効なInka2発現AAVベクターの設計と作製に時間を要したことで、初代培養ニューロンへの導入実験に遅れが生じた。AAV導入系の構築が完了したため次年度は実験を加速できる予定である。

今後の研究の推進方策

Inka2欠損マウス大脳皮質をFIB/SEMトモグラフィー法および通常の透過型電顕で観察し,スパイン構造を類型化して形態的側面を明らかにする予定である。またInka2の制御ネットワークを包括的に理解するため,Inka2 cKOおよび野生型マウス大脳皮質からpreとpostを含むシナプス画分を分画し,リン酸化タンパク質プロテオーム解析を行いInka2下流で変動するタンパク質,シナプス部位でPAK/cofilin経路以外に変動する未同定のシグナル経路を網羅的に同定する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spatiotemporal Regulation of<i>De Novo</i>and Salvage Purine Synthesis during Brain Development2023

    • 著者名/発表者名
      Mizukoshi Tomoya、Yamada Seiya、Sakakibara Shin-ichi
    • 雑誌名

      eneuro

      巻: 10 号: 10 ページ: 1-21

    • DOI

      10.1523/eneuro.0159-23.2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Inka2 expression in smooth muscle cells and its involvement in cell migration2023

    • 著者名/発表者名
      Yamada Seiya、Tokunaga Akinori、Sakakibara Shin-ichi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 643 ページ: 55-60

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.12.068

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 新規STANDタンパク質Nwd1とNwd2は脳発生に関与する2023

    • 著者名/発表者名
      山田晴也、榊原伸一
    • 学会等名
      日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 脳発生は二つのプリン合成経路の協調によって制御される2023

    • 著者名/発表者名
      水越智也、山田晴也、榊原伸一
    • 学会等名
      日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Nwd1遺伝子欠失はSERCA2依存性の小胞体ストレス亢進と肝臓のNASH様病態変化を誘導する2023

    • 著者名/発表者名
      山田 晴也, 中舘 和彦, 堀居 拓郎, 小林 良祐, 畑田 出穂, 水越 智也, 榊原 伸一
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 二つのプリン合成経路の協調は時空間的に脳発生を制御する2023

    • 著者名/発表者名
      水越智也, 山田晴也, 榊原伸一
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] プリン代謝を介した脳発生制御機構を発見

    • URL

      https://www.waseda.jp/top/news/94430

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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