研究課題/領域番号 |
23K05999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
渡部 美穂 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10399321)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | GABA / GnRHニューロン / ストレス / クロライドホメオスタシス / 生殖 |
研究開始時の研究の概要 |
心理的、身体的ストレスにより生殖機能が低下することはよく知られているが、そのメカニズムは明らかにされていない。本研究では、その要因となるストレスにより生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンの活動性が低下するメカニズムを明らかにすることを目的とする。これまでにGnRHニューロンへの興奮性GABA入力が生殖機能の維持に重要であることを明らかにしており、ストレスによりGnRHニューロンの細胞内クロライド濃度維持機構が破綻し、GABA入力の可塑的変化が起こることが生殖機能の低下を招く可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
心理的、身体的ストレスにより生殖機能が低下することはよく知られているが、そのメカニズムは明らかにされていない。その要因となるストレスにより生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンの活動性が低下するメカニズムについて検討を進めている。GnRHニューロンへの興奮性GABA入力が生殖機能の維持に重要であることを報告しているが、ストレスによりGnRHニューロンの細胞内クロライド濃度維持機構が破綻し、GABA入力の可塑的変化が起こるか検討を行っている。GnRHニューロンから記録を行うために、蛍光を指標にGnRHニューロンを同定できる遺伝子改変マウスの作成を行った。遺伝子組換え酵素Cre 依存性にEGFPを発現するRosa-GAP43-EGFPマウスを導入し、GnRHニューロンでCreを発現するマウスと交配し、GnRH Cre:: Rosa-GAP43-EGFPマウスの作成を行った。このマウスに拘束ストレスおよび60%食餌制限ストレスを負荷し、視床下部を含むスライス標本を作成し、グラミシジン穿孔パッチクランプ法を用いてGABAの逆転電位を記録し、GnRHニューロンへのGABA入力が興奮性から抑制性に変化するか調べている。また、飢餓時に活性化されるアグーチ関連ペプチド(AgRP)産生ニューロンを人為的に活性化させた時、GnRHニューロンへのGABA入力に変化がみられるか調べるために、AgRPニューロンを人為的に活性化できるマウスの作成を行った。AgRP CreマウスとDREADDを発現するマウスを交配し、AgRP Cre::DREADDマウスを作成した。このマウスで、CNO(Clozapine-N-Oxide)投与により、AgRPニューロンでc-Fosの発現が認められ、AgRPニューロンが人為的に活性化できることを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GnRHニューロンから記録を行うために、EGFP蛍光を指標にGnRHニューロンを同定できるマウスを作成することができた。このマウスを用いてGnRHニューロンよりグラミシジン穿孔パッチクランプ法により記録を行うが、この手法について電極の種類やグラミシジン濃度の変更などの改良を行い、安定して記録をとれる方法を確立できた。また、人為的にAgRPニューロンを活性化できるマウスを作成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は今年度に引き続き、拘束ストレスおよび60%食餌制限ストレスを負荷したマウスのGnRHニューロンよりグラミシジン穿孔パッチクランプ法を用いてGABAの逆転電位を記録し、GnRHニューロンへのGABA入力がストレスにより興奮性から抑制性に変化するか調べる。また、ホールセルパッチクランプ法により、GnRHニューロンからGABA性シナプス後電流を記録し、GABAニューロンからのGABA放出量、GnRHニューロンのGABAに対する感受性に変化がみられるか調べる。さらに、AgRP Cre::DREADDマウスとGnRHニューロンでEGFPを発現するマウスを交配し、AgRPニューロンを人為的に活性化させ、GnRHニューロンよりGABAの逆転電位を記録し、GnRHニューロンへのGABA入力に変化がみられるか検討する。
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