研究課題/領域番号 |
23K06006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 容子 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (70251501)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 聴神経回路網 / 前庭神経回路網 / 発生 / 膜電位感受性色素 / 光学的計測 |
研究開始時の研究の概要 |
脳神経の一つである内耳神経は、聴覚を司る聴神経(蝸牛神経)と平衡感覚を司る前庭神経から構成され、それぞれの感覚情報は、脳幹内でいくつかの神経核を経由して中枢に伝えられる。 本研究は、ニューロン電位活動の光学的イメージング法を導入して、1)聴神経回路網・前庭神経回路網の機能的形成過程を解明し、脳幹神経回路網の基本形成原理を明らかにするとともに、2)聴神経回路網・前庭神経回路網と申請者が独自に発見した広範囲伝播脱分極波との相互作用を解明し、脳幹神経回路網形成における脱分極波の機能的意義を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
個体発生に伴う中枢神経系の機能発生過程とその制御メカニズムの解明は、神経系の機能的構築を理解する上で最も基本的かつ重要な命題である。本研究では、ニューロン電位活動の光学的イメージング法を導入し、聴覚・平衡感覚を司る神経回路網をターゲットとしてその機能的形成過程を明らかにするとともに、申請者が独自に発見した広範囲伝播脱分極波との相互作用を解明して、個体発生に伴う脳幹神経回路網の機能的構築過程を明らかにすることを目的とする。 令和5年度は、鶏胚聴神経回路網の機能形成過程について解析を行うとともに、計画を一部前倒しして、哺乳類における聴神経回路網の機能形成過程について解析を進めた。孵卵8日の鶏胚脳幹標本において、聴神経刺激によって誘発される脳幹内応答を光学的に計測したところ、fast signalと呼ばれる活動電位と、slow signalと呼ばれる興奮性シナプス後電位が同定された。slow signalの定量的マッピングから、一次感覚核であるNucleus magnocellularisおよびNucleus angularisと、二次感覚核であるNucleus laminarisの三次元的広がりを明らかにした。さらに、低倍率での光学計測により、高次核に相当するNucleus lemnisci lateralisならびに小脳における応答を同定した。鶏胚での結果を踏まえ、マウス胚における聴神経回路網の機能形成過程について解析をすすめ、聴神経刺激によって、鶏胚と同様な時間経過のfast signal、slow signalが誘発されることを確認した。slow signalの定量的マッピングから、一次感覚核である蝸牛神経核の三次元的広がりを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
哺乳類聴覚神経回路網の解析に着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究計画に沿って、哺乳類における解析を進める。
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