研究課題/領域番号 |
23K06007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宮田 信吾 近畿大学, 東洋医学研究所, 教授 (70403194)
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研究分担者 |
遠山 正彌 近畿大学, 東洋医学研究所, 教授 (40028593)
清水 尚子 近畿大学, 東洋医学研究所, 助教 (50572731)
石野 雄吾 近畿大学, 東洋医学研究所, 講師 (80625088)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | タンパクメチル化 / オリゴデンドロサイト / うつ病 / ストレス応答 / リン酸化シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病の発症機構には様々な環境要因や遺伝的要因などが複雑に関与すると考えられている。我々はこれまでに、慢性ストレスによるうつ病発症においてHPA axis 調節不全による脳白質OLs形態・機能異常の存在を見出してきたが、最近になり、タンパクメチル化がうつ病発症に関与している可能性が示唆された。そこで本研究課題では、うつ様症状表出時の脳白質OLs形態・機能異常において、タンパクメチル化酵素によるリン酸化シグナル調節機構の詳細な分子機序を解明することにより、これまでに見出されていなかった新たなうつ病発症機構を明らかにし、うつ病の新規治療薬開発や予防措置への応用に向けた研究基盤の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
うつ病の発症にはストレス等の環境要因が大きく関わることが知られているものの、ヒトでのうつ病発症の根本的な分子機序は未だ不明のままである。これまでに、申請者らはうつモデルとして慢性ストレス負荷マウスを作製・検討し、うつ様症状表出時に脳白質オリゴデンドロサイト(OLs)でセリン/スレオニンキナーゼ Sgk1 のリン酸化レベル亢進に伴う OLs 形態・機能異常が起きることを見出してきた。更に、申請者らは一過性ストレス負荷時に観察されるタンパク質アルギニン残基メチル化酵素 PRMT1 の発現増加が慢性ストレスによるうつ様症状表出時には起きない可能性についても見出したことから、OLs 形態・機能異常時におけるSgk1活性化シグナル調節へのメチル化レベルの関与の可能性に注目した。本研究では、うつ様症状表出時の脳白質OLs形態・機能異常におけるPRMT1等によるリン酸化シグナル調節機構の詳細な分子機序を解明することにより、新たなうつ病発症機構開明に向けた研究基盤の確立を目指している。 本年度は、まず基本的動態として一過性ストレスおよび慢性ストレス負荷マウスにおけるSgk1発現量変化およびリン酸化による活性化変化についてin situ hybridizationやwestern blotting法などで確認した。その結果、Sgk1 mRNA量およびタンパク質量は単回ストレスおよび慢性ストレス負荷どちらでも脳梁などの髄鞘オリゴデンドロサイトで増加すること、Sgk1リン酸化レベルについては慢性ストレス負荷時のみオリゴデンドロサイトで増加することを確認した。次に、Sgk1の基質の一つである転写因子FoxO1発現量について、単回ストレスおよび慢性ストレス負荷による変化をwestern blotting等で検討した。その結果、脳梁全体的な検討からは発現量の低下傾向を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度に実施した研究成果はほぼ計画通りで順調であり、令和5年度の結果を基にした細胞内分画を用いたより詳細な検討、当初の計画による培養細胞系における各種ベクターの強制発現系の予備検討なども現在のところ特に問題は発生していない。 令和6年度以降は、一過性および慢性ストレス応答間のメチル化とリン酸化の制御機構の相違点を明らかにするために、PRMT1やSgk1の変異体による培養細胞系での機能解析を開始するとともに、モデルマウスの脳内、特に脳梁オリゴデンドロサイト構造変化や機能変化の有無に関する阻害剤を用いた予備検討を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、これまでの研究成果を基に細胞内分画を用いてFoxO1やSgk1等の標的因子の局在変化や機能変化の検討を実施予定であると共に、当初計画通りに培養細胞系における各種ベクターの強制発現系を用いて一過性の刺激または慢性的なストレス刺激等を行うことにより、脳梁オリゴデンドロサイトで見出された現象について詳細な機能解析も実施予定である。
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