研究課題
基盤研究(C)
季節性感情障害(SAD)は秋冬期に出現する季節依存型の気分障害であり,高緯度地域など冬の日照時間の短い地域に高率発現する精神疾患である。SADの発症に光感受性の神経活動変化が関与すると考えられるが,マウス・ラットなどの夜行性実験動物では光暴露による行動変化がヒトを含む昼行性動物と全く異なり,SAD病態研究の動物モデルとはなり難い。本研究は,我々が保有する昼行性グラスラットを用いて,SAD発症の神経メカニズム解明を目指す。すなわち,明期照明強度の低下による睡眠覚醒量の変化と抑うつ症状の有無を検証すると共に,この行動変化に付随して活動性が変化する脳部位の組織学的解析や神経破壊による影響を検討する。