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致死的低酸素環境下での生存期間延長を可能とする脳神経核の同定および作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06020
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分46030:神経機能学関連
研究機関関西医科大学

研究代表者

松尾 朋彦  関西医科大学, 医学部, 講師 (90641754)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード神経科学 / 低酸素耐性 / 低代謝
研究開始時の研究の概要

酸素分子は多くの生物の生存において必須である。低酸素がもたらす細胞、組織損傷は、最終的に個体の死に至る危険を伴う。私たちは近年、致死的な低酸素環境下におけるマウスの生存時間を著しく増加させる化合物の同定に成功した。また、特定の脳領域を活性化することでも同様の低酸素耐性が獲得されることを明らかにした。本研究では、低酸素耐性の誘発に関与する脳神経核や作用機序の解析を行い、本来低酸素耐性を持たない生物が低酸素環境下での生存が可能となる仕組みの解明を目指す。

研究実績の概要

低酸素状態は様々な疾患や原因によって引き起こされる。低酸素状態では細胞機能が阻害され、生命活動の維持が困難になる。これまでの研究成果から、本来低酸素耐性を持たない生物に低酸素耐性を付与する化合物やこれに関与する脳神経核が明らかになってきた。そこで本研究において、低酸素状態での生存を可能とするメカニズムの解明を目指す。
令和5年度は、低酸素耐性の誘発に関与する脳神経核の解明を進めた。このために、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いて脳神経核に人工受容体を発現させることでDREADD (designer receptors exclusively activated by designer drugs)法を行い、神経核特異的に神経活動の人為的な活性化を行った。これによる低酸素耐性への影響を複数の神経核において解析した。この結果、低酸素耐性を高める脳神経核、ならびに低酸素感受性を高める脳神経核という逆方向に機能する神経核群が存在することが明らかとなった。また、低酸素耐性を高める脳神経核をAAVを用いてcaspase3発現させることで特異的に細胞除去した場合は、低酸素耐性を付与する化合物の効果が低下することも明らかになった。これら結果から、本研究で同定された脳神経核が低酸素耐性の誘発において重要な機能を果たす可能性が示唆された。さらに、マウス個体の体温や代謝レベルの低下量は低酸素耐性の強さと必ずしも相関しないことがわかってきており、脳を介した低酸素耐性の誘発機構の新たな特徴が解明されつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低酸素耐性に関与する脳神経核群を複数同定し、低酸素耐性に関して逆方向に機能する脳神経核の存在を明らかにすることができた

今後の研究の推進方策

引き続き低酸素耐性に関わる脳神経核の探索を行い、またこれら神経核の下流で誘発されている現象を調べることで、低酸素耐性の本質とその誘発機構の解明を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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