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水を溶媒とするニトロアニリンの触媒的脱水型Friedel-Craftsアルキル化反応

研究課題

研究課題/領域番号 23K06033
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

氷川 英正  東邦大学, 薬学部, 准教授 (20550619)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードFriedel-Crafts 反応 / ベンジル化 / 水 / 金触媒 / 転位反応 / Friedel-Crafts
研究開始時の研究の概要

一般に、ニトロベンゼンやアニリンの Friedel-Crafts 反応は進行しないことが知られている。本研究では、三価の金および水溶性配位子を組み合わせた触媒システムを用いることによって、水中で脱水を伴いながら進行するニトロアニリンの Friedel-Crafts アルキル化反応を開発する。金触媒を用いる本反応は、有機溶媒中では進行しない。さらに、水中において金触媒の代わりに塩酸を用いると、目的としない N-アルキル体が生成する。本反応は、反応場としての水の特性(疎水効果ならびに水素結合能)を活用する効率的な環境調和型 Friedel-Crafts アルキル化反応である。

研究実績の概要

水中で機能する金触媒を用いた電子求引基を有するアニリン類の選択的脱水型 Friedel-Crafts ベンジル化反応を開発した。
はじめに、N-メチルニトロアニリン (1 mmol)およびベンズハイドロール (1.2 mmol)を基質として用いた反応条件の検討を行った。金触媒として NaAuCl42H2O (5 mol%)、配位子として TPPMS (10 mol%) を用いて、100 ℃、18時間、水中で加熱した場合に最も収率よく反応が進行し、収率91%で目的とするC-ベンジル体が生成した。
続いて、基質適用範囲の検討を行った。ニトロ基を他の強い電子求引基(シアノ基およびカルボキシ基)に変換したアニリン類に対しても、本反応の適用が可能であった。また、アリルアルコール類も同様にC-ベンジル化反応が進行した。
次に、経時変化を調べたところ、反応開始直後に N-ベンジル中間体が生成し、その後、N-ベンジル中間体が減少するとともにC-ベンジル体が生成することを確認した。
さらに、対照実験を行い、反応機構を考察した。はじめに、金触媒がアルコールのヒドロキシ基を活性化することによって、ベンジルカチオン中間体が生成し、速度論的に安定なN-ベンジル中間体が生成される。続いて、中間体が金触媒によって活性化され、ベンジルカチオンが脱離した後、Hofmann-Martius 転位反応が進行することによって、熱力学的に安定なC-ベンジル体が生成することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「水中で機能する金触媒を用いた電子求引基を有するアニリン類の選択的脱水型 Friedel-Crafts ベンジル化反応」の研究課題に関して、データの収集は終了し、現在、論文を作成中である(おおむね完成しており、投稿準備中の段階にある)。
続いて「オルトジ置換アニリン類のFriedel-Crafts反応」に関する研究を実施している。来年度の薬学会での発表に向けて、実験を行っている。
本研究で見出された知見を基にして、簡便なインドール合成法を開発した。本研究を担当した学生が日本薬学会(横浜)で発表し、学生優秀発表賞(ポスター発表)を受賞した([29P-pm048S] Au(Ⅲ)触媒を用いた脱水的 Bischler-Mohlau 型indole合成)。

今後の研究の推進方策

水中における金触媒を用いたオルトジ置換アニリン類のFriedel-Crafts反応を開発するために、反応の最適化(金触媒、配位子および溶媒の検討)、基質適用範囲の拡大、反応次数の決定、Hammett studyおよび反応機構の解明などを行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Au(Ⅲ)触媒を用いた脱水的 Bischler-Mohlau 型indole合成2024

    • 著者名/発表者名
      ○雲野 佑香1、中山 拓1、吉川 晶子1、東屋 功1、氷川 英正1 (1. 東邦大薬)
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会(横浜)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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