研究課題/領域番号 |
23K06040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
池尻 昌宏 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (00412396)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イミダゾリノン / イミダゾロン / クロモフォア / 芳香族複素環 / 蛍光分子 / GFP |
研究開始時の研究の概要 |
緑色蛍光タンパク質(GFP)の発色団構造(ベンジリデンイミダゾリノン構造)をモデルとした蛍光低分子の開発を行う。特に外部からの光照射にて生じる光異性化反応を利用することで、その発光のON/OFF(蛍光塗り消し)や発光色変化(蛍光塗り替え)をコントロールできる分子を設計、合成し、その蛍光機能を評価する。さらにベンジリデンイミダゾリノン構造に留まらず、その発展型となるジアリールメチレンイミダゾリノン構造についても同様な検討を行う。蛍光分子の合成には、申請者らが見出した反応などを利用するほか、より効果的な合成を目指し、更なる新反応の開発も進める。
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研究実績の概要 |
蛍光スイッチON/OFF機能(蛍光塗り消し機能)を目指したベンジリデンイミダゾリノン(BDI)誘導体の設計、ならびに合成においては、Z-異性体を用いて主にそのパラ位の置換基効果について検討した。BDI誘導体の合成については、常法を用いて数種の誘導体の合成に成功した。次に蛍光特性を評価したところ、当初の想定通り電子求引基、電子供与基の付与により、蛍光特性の著しい差が観測された。また、蛍光強度の強い誘導体を用いて、そのE-異性体について蛍光特性を評価したところ、蛍光強度に差が見られたものの、十分な差異は見られなかった。BDI誘導体においては、PCを用いたDFT計算による考察も行っている。一方、蛍光塗り替え機能を目指したジアリールメチレンイミダゾリノン(DAIN)誘導体の設計、ならびに合成においては、BDIと同様にパラ位の置換基効果による蛍光特性を評価した。DAINの合成については、常法では得られない誘導体もあったため、その合成法についても検討を行った。本手法については、まだ検討中ではあるが、有望な反応条件を見出すことに成功した。得られたDAINについて蛍光特性を評価したところ、置換基効果は見られたが、十分な蛍光強度は見られなかった。そのため、DAIN誘導体においては、パラ位置換基だけでなく、他の部位の化学修飾も必要であると考え、その骨格のチューニングも行った。過去の結果も含め、検討や考察を行い、イミダゾリノン2位への複素環の導入がDAINの蛍光強度の向上に効果的であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BDI,DAINの両化合物において、蛍光特性に対する置換基の効果が明らかになったため、次のステージの分子設計につながることが期待できる。また懸念点であったDAINの合成についても新規合成法を確立できそうな段階まで来ているため、誘導体合成の幅が広がることが期待できる。以上の点から、概ね順調と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき進めていく予定である。BDI誘導体においては、オルト位やメタ位の置換アナログを合成し、その蛍光特性に及ぼす置換基効果について評価、検討を行う。DAIN誘導体においては、新規合成法の確立を目指すとともに、BDI誘導体の検討にて得られる知見をもとに新たな誘導体の設計、合成を行う。その他、イミダゾリノン2位の置換基の効果についても前年度に引き続き検討を行う。課題点として、構造修飾に用いる複素環合成法に新規性が無いため、新たな合成法の開発も進めたい。
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