研究課題/領域番号 |
23K06041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
前川 智弘 近畿大学, 薬学部, 教授 (40363890)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ハロゲン化 / 硫黄化合物 / 活性化 / NBS活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、医薬品合成などにおいて重要な化合物として知られているハロゲン化合物を合成するための新たな方法の開発を目指します。従来のハロゲン化合物の合成ではNBSと呼ばれる取り扱いが容易な化合物が使用されてきましたが、反応性が低い点が課題でした。反応性を向上させるために酸性化合物を添加していましたが、今回我々は安価で取り扱い容易な硫黄化合物を用いることで活性化できることを見出しましたので、その汎用性を向上させる研究を行います。
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研究実績の概要 |
温和な臭素化剤として広く用いられるNBS(N-Bromosuccinimide)は、一般にLewis酸による活性化が知られていたが、我々は硫黄化合物であるPhSSiMe3(PhSTMS)やPhSSPhを添加することによってNBSの反応性が大幅に向上することを見出した。さらに代替化合物の検討を行ったところ、非常に安価(500 g:2,500円(TCI))で、取り扱いが容易な単体硫黄(S8)が同等の活性化効果を示すことを見出した。S8 は有機反応に利用されているが、硫黄原子の導入に使われている例が多く、NBSの活性化に用いた例はこれが初めてである。 本年度は、S8による活性化法の基質一般性について検討を行った。その結果、種々の電子豊富な芳香環ではジブロモ化が収率よく進行した。また、電子求引性基を有する電子不足なアニソール誘導体の検討を行ったところ、NBSのみでは反応が進行しない基質に対しても、良好な収率でブロモ化反応が進行した。 さらにS8を添加剤として用いた場合、これまで見出していたPhSTMSやPhSSPhよりもNBSを活性化させることが分かり、より短時間で反応が進行することを見出した。さらにブロモ化だけではなく、クロロ化やヨウ素化においても活性化効果が見られ、S8を添加しない場合に比べて、反応時間の短縮や収率の向上が見られた。 特にヨウ素化では、ヨウ素化剤の種類を変えることで反応性が変わることを見出し、NISでは反応性に変化が見られなかったが、DIHを用いることで収率よく反応が進行することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目的としていた基質一般性について、S8の添加効果を明らかにすることができたとともに、ハロゲン化剤の種類を変え、種々のハロゲン化反応が活性化されることを明らかにすることができた。 さらにハロゲン化剤の構造についても検討を行い、ハロゲン化剤の構造によって、反応性が変化することも明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらなる基質一般性の拡張と反応収率の向上を目指し検討を行う。また、本活性化法に適用可能な硫黄化合物の構造を明らかにする。さらに新規ラジカル反応への展開を目指し、網羅的な検討を行っていく。
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