研究課題/領域番号 |
23K06043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
三澤 隆史 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (40709820)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヘリカルテンプレート / ドラッグデリバリーシステム / siRNA / 非天然アミノ酸 / ヘリカル構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ペプチド配列に修飾等を行うことなく、ヘリカル構造を誘起するテンプレートペプチドを連結することで生理活性ペプチドの開発を目指すものである。また、ヘリカルテンプレートに多様な機能を付与することができれば、様々な生理活性ペプチドを一つのテンプレートペプチドから開発することが可能になる。
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研究実績の概要 |
ペプチドは人体の構成要素の一つであり、ホルモンなどの機能性分子として生体内で様々な機能を果たしている。そのため、ペプチドに着目した化学および生化学的研究が広く進められている。近年では、タンパク質間の相互作用を阻害するペプチドの開発や、膜透過ペプチド(CPP, Cell-penetrating peptide)を利用したマクロ分子の細胞内導入法といった応用研究が報告され(Futaki et al. J. Biol. Chem., 2001, 276, 5836. )、ペプチド分子の機能化は魅力的な研究課題の一つである。申請者はこれまでに、CPPsの二次構造制御による膜透過能への効果に関する研究を行ってきた。そこで、申請者は安定なヘリカル構造を形成するペプチド1をオリゴアルギニンに連結させることで、オリゴアルギニン部分にもヘリカル構造を形成させることが可能であることを見出した。また、Blockペプチドは高い細胞膜透過性を示し、siRNAを細胞内に効率的に導入可能であることを明らかにした(Chem. Commun. 2019, 55, 7792.)。当該年度では、ヘリカルテンプレート構造の最適化を目指し、多様なジ置換アミノ酸の導入を行い、そのペプチド二次構造への影響およびsiRNAデリバリー機能への影響を検討した。その結果、ペプチドヘリカル構造をより安定化させる環状ジ置換アミノ酸 の導入を行うことで、ヘリカル構造が安定化される一方で、高い疏水性による細胞毒性の向上が認められた。そこで、より詳細に検討するために、環サイズを変更したヘリカルテンプレートをデザイン合成した。その結果、ヘリカル構造の形成がsiRNAデリバリーに重要な役割を担っていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヘリカルテンプレート構造の安定化作用やその構造最適化について一定の結果が得られている。今後は重水素等の導入による代謝安定化作用を明らかにし、ペプチド医薬品の新たなデザイン手法に関する検討につながると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
ヘリカルテンプレートペプチドの構造最適化について一定の成果が得られた。本結果をもとに、重水素を導入したヘリカルテンプレートの合成を検討する。これらの代謝安定化等について検討することで、生体内で利用可能な新たなペプチドデザインを可能にすると期待できる。次年度以降では、アミノ酸の合成、ペプチドへの導入、およびその代謝物の検討を行う予定である。
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