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藻類由来高分子質を用いる酵素酸化反応システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K06057
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
研究機関名城大学

研究代表者

濱本 博三  名城大学, 農学部, 准教授 (40365896)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード酵素酸化反応 / 固相反応系 / 藻類由来高分子質
研究開始時の研究の概要

酵素酸化反応は生合成における重要な反応のひとつであり、化学合成では難易度の高い複雑な骨格の構築や精密な制御を可能にするため、医薬品等のファインケミカル製造における魅力的なツールになりつつある。酸化酵素は一般に高価であり使用条件の制約も大きいため現状では実用性に課題があり、化学合成用の酸化剤と比べると扱いづらい。本研究では、酵素酸化反応を効果的に利用する反応システムを構築する手段として、藻類由来高分子質の特性の活用に着目し、酵素安定化効果・汎用性拡張効果・酸化反応促進効果の導出法の開発をはかり、固相酸化反応系の設計を試みる。

研究実績の概要

酵素酸化反応は生合成における重要な反応のひとつであり、化学合成では難易度の高い複雑な骨格の構築や精密な制御を可能にするため、医薬 品等のファインケミカル製造における魅力的なツールになりつつある。本研究では、酵素酸化反応を効果的に利用する反応システムを構築する手段として、藻類由来高分子質の特性の活用に着目し、酵素安定化効果・汎用性拡張効果・酸化反応促進効果の導出法の開発を狙い、固相酸化反応系の設計を目的とした研究を実施してきた。
2023年度は、(1)固相試薬の設計および(2)固相特性の解析を中心に展開し、(3)酸化反応系の構築についても検討を加えた。(1)の固相試薬設計においては、イオン部位にアンモニウム塩を有するアクリルアミド系高分子の合成をおこない、そのイオン鎖と非イオン鎖の比率の検討をおこなった。併せて、藻類由来高分子質として各種カラギーナンの有機反応系での調製についても検討した。(2)の固相特性の解析では、主に固相が酸化反応に与える影響について評価し、固相(高分子差鎖)中におけるスルホン酸が反応活性化に寄与すること、アスコルビン酸の変化を促進する作用をもつことを確認した。また、(3)酸化反応系の構築を進めるにあたり、新たな変換反応誘導の可能性について探るべく、フェノール酸類の生合成型酸化反応について化学(非酵素)的アプローチにより制御する方法を検討し、酸化反応に伴う脱炭酸過程に関与する求核種を水・アルコール・ハロゲンのいずれにするかによりキノン・キノンモノアセタール・ハロゲン化フェノールの生成を制御できる可能性があることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、基礎研究として(1)固相試薬の設計と(2)固相特性の解析を実施することにより固相試薬調製法を確立して固相特性を把握し 、応用研究として固相特性をいかした(3)酸化反応制御系の構築と高分子活用を鍵とした(4)実用的活用法の確立を実施することにより研究目的達成することを計画としている。(1)は2023年度~2024年度、(2)は2023年度後期~2025年度、(3)は2024年度~2026年度前期、(4)は2025年度 ~2026年度を予定期間としている。
2023年度は、主に(1)と(2)を実施することが当初計画であった。(1)については、イオン性高分子合成は実施したものの、藻類由来高分子とイオン性高分子との複合化による固相設計の検討は不十分であった。(2)については、酸化反応に対する影響について検討をおこなうとともにその方法についても検証を進めているところであり、2024~2025年度の検討に向けた初期的な結果はえられた。また、(3)は当初計画には入れていなかったものの、先立って関連検討を実施し生合成型反応の制御に関する知見が得られた。(1)で不足分があるものの、(3)は予定より先に進んでいる部分があるため、総合的にはおおむね順調に進展していると判断できると評価した。

今後の研究の推進方策

2024年度は当初の実施計画に従い、(1)固相の試薬設計、(2)固相の特性解析、(3)酸化反応系の構築を中心に進める予定としている。(1)については、イオン部位にスルホン酸塩をもつアクリルアミド系高分子の合成とその活用を検討する。(2)については、引き続き酸化反応に対する影響について検討をおこなうとともに酵素に対する安定化効果についても評価を試みる。(3)については、2023年度検討において見出した化学(非酵素)的アプローチによる生合成型酸化反応について精査し、適切な制御法の導出とその仕組みに対する理解を深め、固相における酵素酸化反応系への効果的な適用法について検討する。
2025年度以降は、(2)と(3)に加え(4)の実用的活用法の確立の検討を開始する予定である。なお、(2)と(3)結果によって固相試薬の最適化も必要と見込まれるため、(1)も継続して進める必要があると考えている。また、酵素担持や酵素安定化効果の評価に関する検討において多数の条件スクリーニングを要する可能性が想定され、その場合にはあらかじめ酵素としてリパーゼを用いる検討により条件を絞ったうえで、酸化酵素を活用する検討へ展開していくことにより効率化を試みる予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 超原子価ヨウ素試薬を用いるヒドロキシ安息香酸類の酸化的脱炭酸反応によるブロモフェノール合成2024

    • 著者名/発表者名
      小野田 光洋, 松本 彩愛, 濱本 博三
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 2-フランカルボン酸の酸化的脱炭酸反応によるブロモフラノンへの変換法の開発2024

    • 著者名/発表者名
      濱本博三, 加藤可純, 加藤文明, 犬飼由香子
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒドロキシ安息香酸類の酸化的脱炭酸反応を活用したm-テルフェニル化合物の合成2024

    • 著者名/発表者名
      濱本博三, 松本彩愛, 鈴木千尋, 小野田光洋
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒドロキシ安息香酸類の酸化的脱炭酸反応を用いるハロゲン化キノンの合成2023

    • 著者名/発表者名
      濱本博三, 小野田光洋, 伊藤康平, 松本彩愛
    • 学会等名
      第48回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒドロキシ安息香酸の酸化反応を活用したジフェニルヒドロキノン関連化合物の合成2023

    • 著者名/発表者名
      松本彩愛, 小野田光洋, 濱本博三
    • 学会等名
      2023年度食品科学工学会中部支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フランカルボン酸の酸化反応を活用したブテノライドへの変換法2023

    • 著者名/発表者名
      加藤可純, 加藤文朗, 犬飼由香子, 濱本博三
    • 学会等名
      2023年度食品科学工学会中部支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 名城大学農学部生物制御科学研究室HP

    • URL

      https://www-agr.meijo-u.ac.jp/cgi-bin/labo14/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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