研究課題/領域番号 |
23K06059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
高山 健太郎 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (70611482)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光反応性アミノ酸 / 短鎖化ペプチド / マイオスタチン / アクチビン / ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
光反応性MID-35誘導体ペプチドを用いたフォトアフィニティーラベリングにより、マイオスタチン並びにアクチビン結合部位をそれぞれ同定する。得られた情報を基にコンピュータを駆使することで理論的分子設計を行い、マイオスタチンとアクチビンの両因子の阻害に最適な構造へ導く。新たに創出した誘導体の有効性と優位性はマウス骨格筋量の増加と握力増強を指標に実証し、医薬候補化合物としての創薬展開に繋げる。
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研究実績の概要 |
マイオスタチンとアクチビンのデュアル阻害により得られる相乗的な骨格筋増強をもたらすペプチドを獲得するため、分子設計の基盤情報となる結合部位の同定を念頭にした光反応性阻害ペプチドの創製に着手した。マイオスタチンとアクチビンの双方にsub-μMのIC50値をもって阻害活性を示すことがわかっている既存の阻害ペプチド MID-35に、光反応性アミノ酸であるD-4-ベンゾイルフェニルアラニン(D-4-Bz-Phe)を導入した誘導体を各種合成した。D-4-Bz-Pheは比較的嵩高い側鎖を有する芳香族アミノ酸であることから、MID-35に含まれる3つのD-Trp部位に導入した。比較的N末端側に位置するD-Trpを置換したMID-35-b1、C末端D-Trpを置換したMID-35-b3はいずれもマイオスタチン阻害活性が維持された。この過程で、D-4-Bz-PheをC末端に導入した場合に13残基ペプチドにおいても同等のマイオスタチン阻害活性が得られることを見出したが、アクチビンに対する阻害能がわずかに低下した。アクチビン阻害能に焦点をあて、当該短鎖化ペプチドをもとにした誘導体展開を試みることとした。これは、分子サイズが小さいほうが、フォトアフィニティーラベリング後の質量分析におけるフラグメント検出が容易になると考えられるためである。一方、次年度以降のin vivoにおける有用性の実証を見据え、MID-35の雄性C57BL/6Jマウス前脛骨筋への投与量の最適化を実施し、従来よりも30あるいは60倍低用量での投与が当該検証に望ましい条件であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光反応性アミノ酸であるD-4-Bz-PheをMID-35配列中に導入してもマイオスタチン阻害能に大きな影響を与えないことを明らかにし、フォトアフィニティーラベリング実験への展開が可能な状況となった。一方で、当該実験の効率を考慮し、新たに見出した短鎖化ペプチドを基にした誘導体展開を行うことが望ましいと考えられたため、光反応性阻害ペプチド誘導体の創製に予定よりも時間を要しているが、in vivoでの有用性検証実験の準備が整えられたため、全体として概ね順調に進捗していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
短鎖化ペプチド誘導体の構造活性相関研究を実施し、結合部位同定実験に資する光反応性ペプチド誘導体を決定する。この誘導体を用いたフォトアフィニティーラベリングを行いマイオスタチン並びにアクチビン結合部位の同定に向けた検討を展開していく。
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