研究課題/領域番号 |
23K06063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
渕 靖史 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (40748795)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | DNA鎖切断 / 1,2-ジオール / 光分解性保護基 / DNAテンプレート合成 / ワンポット合成 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAやRNA鎖末端を低分子化合物などで化学修飾した核酸配列は、核酸医薬やDNA-encoded libraryに利用されている。DNA鎖末端の化学修飾法の一つとして、DNAテンプレート合成法がある。これを利用して多段階のワンポット合成を行う際には、二重鎖形成が障害となる。すなわち、次に反応させる核酸配列を加えてもこの二重鎖に阻まれてしまう。これを解決するために本研究では、光照射により誘起する鎖切断反応を応用した新規方法論 (多段階ワンポットDNAテンプレート合成法) を考案し、その系を構築することを目的とした。まずは基礎的な構造の検討から始めて方法論を確立し、それを応用した研究にも展開する。
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研究実績の概要 |
DNAやRNA鎖末端を低分子化合物などで化学修飾した核酸配列は、核酸医薬やDNA-encoded library(DEL)に利用されている。DNA鎖末端の化学修飾法の一つとして、DNAテンプレート合成法がある。これを利用して多段階のワンポット合成を行う際には、二重鎖形成が障害となる。すなわち、次に反応させる核酸配列を加えてもこの二重鎖に阻まれてしまう。これを解決するために本研究では、光照射により誘起する鎖切断反応を応用した新規方法論(多段階ワンポットDNAテンプレート合成法)を考案し、その系を構築することを目的とした。この達成に向けて、初年度は(1)光照射により誘起するDNA鎖切断反応の検討、(2)多段階ワンポットDNAテンプレート合成の検討を行った。 (1)申請者らが開発した「ユニバーサルアミダイト」の戦略を応用し、DNAリン酸部に結合した1,2-ジオールに光分解性保護基を導入した構造を設計した。光分解性保護基としてニトロベンジル型とクマリン型の2種類のものを合成し、光照射により鎖切断反応が誘起されるか検討した。その結果、ニトロベンシル型では光照射によって、速やかにDNA鎖が切断されることが明らかとなった。一方クマリン型では鎖切断反応が進行せず、そもそもの光照射による脱保護が進行していないことが示された。以上の結果を基に、ニトロベンシル型を以降の研究で採用することにした。 (2)上記(1)の結果を基に、多段階ワンポットDNAテンプレート合成を検討した。まず、末端を修飾するテンプレート鎖と、それに官能基を転移させるビルディングブロック(BB)鎖を合成した。BB鎖の真ん中には鎖切断反応部位として、上記のニトロベンジル体を導入した。それらを用いて多段階ワンポットDNAテンプレート合成を検討した結果、反応効率に改善の余地はあるものの、コンセプトどおり進行することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までの研究計画としては、研究実績の概要に示したように、多段階ワンポットDNAテンプレート合成の検討を行うところまでの予定であった。結果として、本研究で提案した方法論(多段階ワンポットDNAテンプレート合成)が可能であることまで証明された。
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今後の研究の推進方策 |
多段階ワンポットDNAテンプレート合成法を確立することには成功したが、まだ効率が低いという課題も残った。今後はこの課題を解決し、さらなる応用に進めていきたいと考えている。その応用の一つとして、DNAライゲーションやDELの構築を行っていきたいと考えている。
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