研究課題/領域番号 |
23K06078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
津元 裕樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 主任研究員 (00409385)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グライコプロテオミクス / 質量分析 / 糖鎖 / 糖ペプチド / シアル酸 / 誘導体化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖修飾はタンパク質の翻訳後修飾の一つであり,その多様な構造はタンパク質の様々な機能制御に関わるだけでなく,疾患や老化のバイオマーカーになる可能性を秘めた重要な翻訳後修飾である.本研究課題では,これまでに開発したシアル酸の結合様式を容易に区別できる糖鎖・糖ペプチド解析法について,検体の前処理および解析のスループット性を向上させ,横断・縦断コホート検体に応用する.それにより,血漿タンパク質における糖鎖の健康長寿マーカーとしての有用性を多検体で検証する.
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研究実績の概要 |
タンパク質の糖鎖修飾は、その構造多様性により様々な機能制御に関わるだけでなく、疾患や老化のバイオマーカーの可能性を秘めた重要な翻訳後修飾である。多くの糖鎖の末端にはN-アセチルノイラミン酸に代表されるシアル酸が、α2,3-結合あるいはα2,6-結合により付加(シアリル化)している。この結合様式の違いは細胞認識やタンパク質代謝などで重要な役割を果たしている。よって、シアリル化糖鎖の生物学的な意義を明らかにするためには、結合様式まで含めて解析することが重要である。 本研究課題では、シアル酸の結合様式まで容易に区別できるハイスループットなN型糖ペプチド解析法を開発してヒト血漿に応用し、糖鎖に着目したヒト健康長寿マーカーの開発を目的とする。具体的には、前処理のハイスループット化として96ウェルプレートを用いた血漿前処理法を確立し、横断・縦断コホートで収集された血漿のN型糖ペプチド解析を行う。 令和5(2023)年度は、市販のヒトプール血漿を用いて前処理法を検討した。血漿からアルブミンとIgGを除去してタンパク質沈殿後、再溶解して条件検討用血漿タンパク質溶液とした。血漿タンパク質溶液の還元、アルキル化、酵素消化、脱塩、シアル酸の結合様式特異的な誘導体化、N型糖ペプチドの濃縮までを96ウェルプレートで行い、LC-MS/MS解析を行った。その結果、同定されたN型糖ペプチドの数はウェル間でのばらつきが少なく、再現性の良い前処理法であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、前処理のハイスループット化として96ウェルプレートを用いた血漿前処理法を確立することができたため、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
横断研究への応用として、超百寿者群、90歳群、80歳群、70歳群への応用を検討する。また、縦断研究への応用として、3年ごとに収集・保存された同一人物の血漿を用いる。70歳群の3、6、9、12年後の追跡調査で炎症マーカー値が有意に上昇した群と変化していない群に分けて検体を抽出して解析する予定である。
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