研究課題/領域番号 |
23K06083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 秀行 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (70739242)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中分子医薬 / 経口デリバリー / 高分子ナノ粒子 / 薬物動態制御 / 炎症性腸疾患 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,中分子医薬品の経口的薬物動態制御を達成すべく,機能性高分子ナノキャリアの設計,さらに設計したナノ粒子炎症部位特異的な薬物送達を目的とする.中分子医薬品の経口デリバリーにおける大きな障壁となる安定性,透過性の点に加えて更に消化管粘液中における粒子拡散動態を制御することで単純な吸収性改善のみならず,吸収速度や薬物暴露時間のコントロール等の薬物動態制御を試みようとするものである.
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研究実績の概要 |
経口投与製剤は,医薬品の簡便かつ安全な投与経路として最も頻用される投与経路であるが,前述のような中分子医薬品は消化管内における安定性や生体膜透過性の乏しさ等のため,消化管からの薬物吸収制御を極めて困難なものとしている.本研究課題では,最新のナノテクノロジーとイメージング技術を駆使し,消化管内における薬物含有ナノ粒子の拡散特性および薬物動態を制御可能な経口 DDS プラットフォームの開発に挑戦する.さらに,開発した製剤の炎症性腸疾患治療への応用可能性を明らかとしようとするものである.以上の背景より,中分子医薬の消化管吸収制御を達成すべく下記 3 点について取り組む.①消化管内における粒子・薬物動態制御を指向した機能性高分子ナノキャリア設計,②イメージングによる機能性ナノキャリアの消化管内における粒子動態解析,③炎症性腸疾患に対する炎症部位特異的な薬物送達への応用研究 2023 年度は①について下記の通り研究を遂行した. (1) Flash NanoPrecipitation (FNP) 法を用いた機能性ナノキャリア処方検討:対象化合物として難水溶性中分子である cyclosporine A を選択し,親水部として PEG,疎水部として PLGA を有する PEG-PLGA を粒子基材としたナノ粒子について処方最適化検討を行った.粒子径,粒度分布,収率,蛍光物質封入率や分散安定性等を基準にナノキャリアの処方・製法を決定した.(2) 粘膜中粒子動態の解析:消化管粘液を模した人工粘液を用いた粒子透過性試験を行った.(3) 機能性ナノキャリアの物理化学的特性評価:消化管内環境におけるナノキャリアの分散安定性,薬物放出試験,透過型電子顕微鏡により粒子特性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で記した通り,前年度は粘液透過性を有する機能性ナノ粒子設計の処方検討およびその最適化を目標としており,鋭意検討の結果,狙っていた特性を有しているナノ粒子設計に成功している.
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今後の研究の推進方策 |
前年度は,モデル化合物である難水溶性中分子化合物の cyclosporine A を効率的に封入可能な処方を開発し,さらにイメージング用のナノ粒子として Aggregation-caused quenching の特性を有する蛍光プローブである P2 を封入したナノ粒子を作成した.本年度は,実際に in vivo 環境,すなわち実験動物としてラットを使用した検討にて,これらのナノ粒子の特性を明らかにしていく予定である.
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