研究課題/領域番号 |
23K06085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小澤 新一郎 北里大学, 薬学部, 助教 (20724868)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | フラグメントベース創薬 / フラグメントマッピング / バーチャルスクリーニング / ポケット構造予測 / タンパク質間相互作用 / アロステリック部位 / インシリコ創薬 / cryptic pocket |
研究開始時の研究の概要 |
リガンド結合時にはじめて形成される薬物結合ポケット(cryptic pocket)は一見すると明確なポケット構造を持たない高難度標的に対する創薬や機能解析に重要であるが、有効な解析手法は少ない。そこで本研究では、申請者らが開発した計算手法を応用し、従来法とは原理の異なる知識ベースのcryptic pocket予測法を確立することを目的とする。 まずはcryptic pocket既知のタンパク質を検証例として、リガンド非結合型構造からcryptic pocketを予測する方法論を構築する。次に、従来法との比較や実際の創薬研究への応用により、その有効性を実証する。
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研究実績の概要 |
タンパク質表面には、リガンド結合時にはじめて形成される薬物結合ポケット(cryptic pocket)が複数隠れている。Cryptic pocket は従来の薬物標的より柔軟性の高いアロステリック部位やタンパク質間相互作用(PPI)界面に対する創薬や機能解析に重要であるが、有効な解析手法は少ない。そこで本研究では、申請者らが開発した計算手法を応用し、従来法とは原理の異なる知識ベースの cryptic pocket 予測法を確立することを目的とする。 具体的には、まずは cryptic pocket 既知のタンパク質を検証例として、リガンド非結合型構造から cryptic pocket を予測する方法論を構築する。次に、従来法との比較や実際の創薬研究への応用により、その有効性を実証する。本手法を確立できれば、これまでアンドラッガブルと見なされていた高難度標的に対する創薬の加速につながる。また、過渡的なポケット形成や準安定構造など、様々な生命現象に関わるタンパク質の動的構造解析への応用も見込める。 本年度は、以前の研究課題(若手研究20K15974)において従来の薬物標的を対象として確立した方法論を、アロステリック部位やPPI界面といった高難度標的に適用した。その結果、高難度標的においても計算条件を大きく変えることなくポケット構造を同定・構築できることが明らかとなった。具体的には、タンパク質内部への埋没度の小さいフラグメントでは一段階の計算で、埋没度の大きいフラグメントでは衝突するアミノ酸残基をGlyに置換した上での最適化、次いで側鎖を元に戻した条件での最適化という二段階の計算を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、cryptic pocketを有することが既知である複数のアロステリック標的やPPI標的において、リガンド非結合型構造を用いたインシリコ・フラグメントマッピング解析によってリガンド結合型構造にのみ存在するポケット構造を予測することに成功した。現時点では標的ごとに異なる計算条件を用いており、統一的なプロトコルを得るには至っていないが、単年度の成果としてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本手法の適用事例を増やすことで計算条件の最適化を進めるとともに、性質の異なるタンパク質標的に横断的に適用可能なプロトコルの探索・構築を目指す。また、予測したcryptic pocket を利用して、実際の創薬標的に対する in silico 創薬研究を進める。
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