研究課題
基盤研究(C)
本研究ではラマン分光測定を活用し,リポソームを構成する脂質および有効成分の構造を評価する技術を開発する.具体的には,脂質のアルキル側鎖に由来するラマン散乱のピーク強度比を測定することによって,リポソームの殻を形成する脂質二重層における脂質の充填構造,ひいてはリポソームの強度あるいは薬物の放出性と密接な関わりが想定される膜の流動性について評価する.また,リポソームに内包される有効成分の分子状態について,結晶性の指標となる特性ピークを解析する.ここで得られた知見は,医薬品の開発過程全般にわたって活用できることから,実製造後の品質管理までをも見据えた分析技術となることが期待できる.