研究課題/領域番号 |
23K06088
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
定金 豊 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (60293304)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 光反応 / ジアジリン / S化DNA / トロンビン / 方法論開発 / SELEX法 / 光反応基 / 方法論の開発 / パンデミック |
研究開始時の研究の概要 |
核酸アプタマーは抗体以上の機能を期待されている次世代の医薬品分子である。配列さえ決まれば、同一の分子種を極めて安価かつ大量に化学合成できるため、パンデミックにも早急に対応できる特色がある。医薬品候補となる核酸アプタマーを効率的に選別するためには、無限に近い分子種の中から的確な候補を選び出す必要があり、困難を極める。本研究では、核酸アプタマーの選別法に化学的ギミックである光反応を組み込み、簡便で効率的な手法を確立することを目指している。
|
研究実績の概要 |
抗体を用いた医薬品は、現代医療の中心的役割を担っていますが、抗体を大量かつ安価に生産することは極めて難しいのが現状です。核酸アプタマーは、抗体としての機能を有しながらも、核酸合成で生産できるため、単一物を迅速かつ大量・安価に準備することができます。そのため、パンデミックにも対応可能な次世代抗体分子と注目されています。しかしながら、目的の核酸アプタマークローンを得るためには、卓越した選別技術が要求され目的のアプタマーが得られないことも多々あります。本研究では、独自の光化学的新技術を核酸アプタマーの選別過程に導入し、医薬品候補となる核酸アプタマーを迅速に提供できる技術を開発することを目的としています。 我々が開発した核酸アプタマーに光反応基を導入する技術を用いて、トロンビンに対する光反応性核酸アプタマーを作製し、光反応基の導入により副次的な影響が生じるかを詳細に検討しました。その結果、光反応基の導入位置によりトロンビンへの結合特異性が異なることを見出し、導入位置については多角的に検討する必要があることを明らかにしました。本研究での核酸アプタマーの選別のためには光反応基をターゲットタンパク質に導入する必要がありますが、導入位置の異なる複数のタンパク質を準備し研究を行う必要があるといえます。この知見をもとに、現在、トロンビンタンパク質に光反応基を導入できるように、遺伝子工学を用いて、光反応基を導入する足がかりとなる構造の構築を進めています。足がかりをもつタンパク質と光反応基とを混合し、光反応基が過不足なく導入される条件を検討しています。今後は、光反応基を導入したトロンビンを用いて、疑似ライブラリーを使って目的の核酸アプタマーの選別効率を調査する予定です。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、トロンビンに対する光反応性アプタマーを用いて、目的の核酸アプタマー選別に役立つ知見を得ることを目的として実験を進めました。研究実績の概要にも示したように、分析化学的な見地から様々な情報を得ることができました。さらに、光反応性トロンビンタンパク質の作製も着実に進めることができています。概ね、計画通りに進行しています。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、研究を着実に進めていきます。今後は、1)光反応基の導入位置が異なる複数の光反応性トロンビンタンパク質を作製します。2)疑似ライブラリーを用いて、光化学的選別法の開発のための基礎的データを収集していきます。3)選別性確度の高い光反応性トロンビンタンパク質を用いて、100,000,000,000,000種以上のDNA配列を有する核酸アプタマーライブラリーを用いて、目的の核酸アプタマーの選別に注力します。
|