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σ-ホール相互作用を利用した新規高機能液体クロマトグラフィー用充填剤の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K06090
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47020:薬系分析および物理化学関連
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

萩中 淳  武庫川女子大学, バイオサイエンス研究所, 教授 (20164759)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワードハロゲン結合 / 分子認識 / 分析科学 / 薬学 / 高機能充填剤
研究開始時の研究の概要

共有結合したハロゲン、カルコゲン、プニクトゲン原子のσ-ホール(σ-hole)と呼ばれる正電荷を帯びた領域(σ-ホール供与体)と陰イオン、孤立電子対、π電子(σ-ホール受容体)との間に働くσ-ホール相互作用(それぞれ、ハロゲン、カルコゲン、プニクトゲン結合)を利用した新規高機能液体クロマトグラフィー(LC)用充填剤の開発と応用に関する研究である。本研究では、ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤を中心に研究を進めるが、カルコゲン結合、プニクトゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤の調製と応用にも拡張可能である。

研究実績の概要

ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤(①ハロゲン結合供与体固定化充填剤、②ハロゲン結合受容体固定化充填剤)をポリマー基材およびシリカ基材を用いて調製する予定であった。昨年度は、ハロゲン結合受容体として4-vinylpyridine (4-VPY)、架橋剤としてethylene glycol dimethacrylate (EDMA) およびdivinylbenzene (DVB)を用いて多段階重合法により、粒子径単分散のポリマーを合成した。また、分子インプリントポリマー (MIP)を調製することにより、ハロゲン結合の働くサイトの数を増加させることを試みた。
4-VPYとEDMAを用いて、鋳型分子としてbisphenol A (BPA)、tetrachlorobisphenol A (TCBPA) およびtetrabromobisphenol A (TBBPA) を用いて、それぞれの分子に対するMIPを調製した。また、鋳型分子を用いないで調製した、ノンインプリントポリマー (NIP) も調製した。さらに、tetraiodobisphenol A (TIBPA) を合成し、MIPおよびNIPでの保持、分子認識の評価に加えた。さらに、Gaussian 16Wを用いて、tert-butyl phenol誘導体をモデル化合物として用いた分子間相互作用の解析の結果、鋳型分子と4-VPYとの間には、水素結合、ハロゲン結合およびπ-π相互作用が働いていることが示唆された。これらの相互作用エネルギーとBPAおよびその誘導体のlog kとの相関は、MIPおよびNIPで良好であり、I原子、Br原子、Cl原子と4-VPYとの間には、ハロゲン結合が働いていることが示唆された。また、MIPを調製することにより、NIPに比しハロゲン結合の働くサイトの数を増加させることが可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、新規高機能LC用充填剤として、①ハロゲン結合供与体固定化充填剤および②ハロゲン結合受容体固定化充填剤を合成する予定であった。しかし、ハロゲン結合受容体である4-VPYと架橋剤であるEDMAあるいはDVBを用いて合成したポリマーが、ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤として働くことを見出し、そのポリマーのハロゲン結合を利用したLC用充填剤への適用あるいは拡張を試みている。また、ハロゲン結合供与体充填剤とMIPとの組み合わせにより、ハロゲン結合の働くサイトの数を増加させることが可能であることが分かった。また、4-VPYあるいは1-vinylimidazole (1-VIM) とDVBを用いて合成したポリマーも、ハロゲン結合供与体充填剤として働くことを予備実験的に明らかにしている。従来計画した研究とは少し違った方向に進んでいるが、ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤から逸脱する方向ではない。ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤の新たな方向性が見出せるのではないかと思い、研究を継続する予定である。

今後の研究の推進方策

ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤の新たな方向性として、ポリマー基材に着目して研究を進める。昨年度は、ハロゲン結合受容体として4-VPY、架橋剤としてEDMA用いて多段階重合法により、粒子径単分散のポリマーを合成した。今後は、ハロゲン結合受容体として、1-VIM、 methacrylic acidを架橋剤として、EDMA、DVBを用いたポリマー(MIPおよびNIP)を調製して、ハロゲン結合供与体と試料との間のハロゲン結合の寄与を明らかにしていきたい。
さらに、本研究の当初の目的である、1)ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤(①ハロゲン結合供与体固定化充填剤および②ハロゲン結合受容体固定化充填剤)をポリマー基材およびシリカ基材を用いて調製する、2)ハロゲン結合を利用した新規高機能LC用充填剤の調製の最適化を検討する、3)調製した充填剤を①ハロゲン結合受容体化合物および②ハロゲン結合供与体化合物の高機能分離に適用することを検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Bisphenol A およびその誘導体に対する分子インプリントポリマーの保持 能および分子認識能の検討2024

    • 著者名/発表者名
      本田 千恵、西村 奏咲、葉山 登、萩中 淳
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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