研究課題/領域番号 |
23K06122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
田中 智之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40303846)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マスト細胞 / IL-10 / ATP / プリン受容体 / 炎症 / アラーミン |
研究開始時の研究の概要 |
マスト細胞は炎症応答を惹起する主要な細胞のひとつであり、アレルギー応答では治療標的となっている。近年の研究の進展により、マスト細胞は免疫抑制作用をもつサイトカインであるIL-10を産生することが明らかとなった。本研究では、炎症応答の惹起・増強、免疫応答の抑制という相反する機能の切り替えがどのように起こるのかを、IL-10産生の制御機構に注目して解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では炎症を惹起、促進することが主要な機能と考えられているマスト細胞がIL-10という抑制性のサイトカインを産生することに着目し、IL-10がいかなる条件で産生されるのか、またそれはどう制御されているのかを明らかにすることを目的としている。また、マスト細胞由来のIL-10産生が皮膚組織では炎症抑制性に、消化管粘膜では逆に炎症促進的に作用することに着目し、こうした反対の作用が生じる理由を解明する。 ・粘膜型マスト細胞のモデルであるIL-3依存性マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)を用いて、IL-10が産生される条件を決定し、ATPによる制御について検討を行った。抗原刺激、あるいはリポ多糖刺激のみでは十分なIL-10産生は認められないこと、両者の刺激によりATP分解系が低下し、ATP感受性が増大することを見出した。 ・抗原刺激とともに加える刺激としてリポ多糖以外のいくつかのTLRリガンドの作用を検討したが、リポ多糖に匹敵する作用を示すものは見いだせなかった。 ・マウス腹腔細胞由来の組織結合型マスト細胞の新たなモデルについて検討を行い、骨髄細胞由来の従来の培養系と同様にCompound 48/80をはじめとするMRGPRX2アゴニストの一部が脱顆粒応答を誘導することを見出した。 ・マスト細胞から放出されるATPの測定を試みているが、BMMCはもともと細胞表面のATP分解系の活性が強く、安定した系の確立には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子欠損マウスの入手などで遅れが生じているが、その他の培養細胞を用いた検討は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
原則として申請時の研究計画に沿って研究を進める予定である。研究チームの構成が変化したため、当初予定していたマウスIL-10のプロモーター解析はとりやめ、IL-10産生のメカニズム、およびIL-10の機能に重点をおく。
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