研究課題/領域番号 |
23K06129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古川 敦 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30727699)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | FcεRI受容体 / アレルギー / 免疫応答 / IgE受容体 / 免疫 / 構造解析 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
花粉症や食物アレルギーなど様々なアレルギー疾患は,日本のみならず世界的にもその患者数は増加の一途をたどっている。アレルギー症状は、抗原(アレルゲン)・抗体(IgE)、そしてマスト細胞が中心となって引き起こされる。。マスト細胞表面のFcεRIに結合したIgEが抗原によって架橋されると下流のリン酸化シグナル経路が活性化し、ヒスタミンやサイトカインなどの炎症性メディエータが分泌される。FcεRIはマスト細胞活性化の最初のトリガーであるにも関わらず、「どのようにシグナル伝達を調節しているか?」など不明な点が多い。本研究では、構造生物学的手法を用いてアレルギー応答メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
様々なアレルギー疾患は,日本のみならず世界的にもその患者数は増加の一途をたどっている。アレルギー症状は、抗原(アレルゲン)・IgE、そしてマスト細胞が中心となって引き起こされる。マスト細胞表面のFcεRIに結合したIgEが抗原によって架橋されると下流のリン酸化シグナル経路が活性化し、ヒスタミンやサイトカインなどの炎症性メディエータが分泌される。FcεRIは脂質ラフトに存在することが明らかになっているが、どのように脂質ラフトがサブユニット間の安定化に寄与しているか明らかになっていない。アレルギー疾患の理解のためにはそのメカニズム解明が重要である。さらに免疫細胞では、多くの免疫活性化シグナルに関係するタンパク質が脂質ラフトに存在するが、その構造の多くは明らかになっていない。本申請では、免疫細胞の活性化に関わる分子の構造解析を進め、アレルギー研究のみならず免疫制御機構の解明の基盤研究を進める。 本年度は、FcεRIの複合体の構造解析に向けて、FcεRIの複合体の単離、精製を目指した。FcεRIに対する抗体やIgEを用いて、FcεRI複合体の単離を試みた。ウェスタンブロッティング法を用いた解析によって、FcεRI複合体のコンポーネントであるα、β、γ鎖が得られたことが示唆された。しかし、精製された量が少ないことがわかったため、細胞数や抗体量を増やす検討を行っている。また、FcεRIのα、β、γ鎖相互作用の解析に向けて、γ鎖と結合することが示唆されている他の免疫活性化受容体の発現コンストラクトを作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FcεRIの複合体の構造解析に向けて、FcεRIの複合体の単離、精製を進めた。IgEを活性化したCNBr sepharoseに結合し、マスト細胞のモデル細胞であるRBL-2H3細胞のライセイトを混ぜることで、FcεRIの精製を行った。ウェスタンブロッティング法を用いた解析によって、FcεRI複合体のコンポーネントであるα、β、γ鎖が得られたことが示唆された。しかし、精製されたタンパク質の量が少なかった。そのため、anti-FcεRI抗体をビーズに固定化し、精製を進めたため。また、FcεRIのα、β、γ鎖相互作用の解析に向けて、γ鎖と結合することが示唆されている他の免疫活性化受容体のMincleやDectin-2をRBL-2H3で発現させるためのコンストラクトを作製したため。
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今後の研究の推進方策 |
FcεRIの複合体の構造解析に向けて、実験を行ったが、構造解析に必要なタンパク質量にまだ達していない。そのため、細胞数や抗体量を増やす検討を行う。また、FcεRIのα、β、γ鎖相互作用の解析に向けて、γ鎖と結合することが示唆されている他の免疫活性化受容体の発現コンストラクトを作製した。そのコンストラクトをRBL-2H3細胞にトランスフェクションする。γ鎖と相互作用するMincleやDectin-2の発現が、FcεRI複合体の形成にどのような影響を及ぼすかについて、免疫沈降法やアレルゲンを用いた活性化実験により明らかにする。
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