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病原性調節因子の同定に基づく病原真菌トリコスポロンの感染重篤化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06141
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関明治薬科大学

研究代表者

松本 靖彦  明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (60508141)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード真菌 / 病原性因子 / カイコ / トリコスポロン・アサヒ / 感染症 / 病原性調節因子
研究開始時の研究の概要

トリコスポロン属真菌の中でもトリコスポロン・アサヒは、好中球が減少した患者に対しては重篤な深在性真菌症を引き起こす病原真菌である。本研究は、研究代表者が開発したトリコスポロン・アサヒのカイコ感染モデルとトリコスポロン・アサヒの遺伝子欠損株の作製技術を駆使してトリコスポロン・アサヒが宿主に感染するために必要な病原性調節因子を発見する。さらにその分子の機能解析を通じて、トリコスポロン・アサヒの感染症の重篤化機構を解明し、予防法や治療法の確立に貢献する。

研究実績の概要

トリコスポロン・アサヒは、環境中に広く存在する真菌である。また、トリコスポロン・アサヒが免疫不全患者に重篤な深在性真菌症を引き起こすことから病原真菌としても認知されている。しかし、トリコスポロン・アサヒの感染機構に必要な病原性関連因子は不明である。これまでに我々は、カイコ感染モデルを用いたトリコスポロン・アサヒの病原性の評価系、およびku70遺伝子欠損株を親株とした迅速簡便な標的遺伝子の欠損株を樹立する技術が構築している。本研究では、これらの技術を用いて、トリコスポロン・アサヒの病原性に必要な遺伝子の同定に基づく病原性調節機構の解明を目的として研究を行った。
令和5年度において、p38 MAP kinaseの相同因子であるHog1に着目して研究を行なった。トリコスポロン・アサヒのHog1をコードする遺伝子であるhog1遺伝子を欠損させたhog1遺伝子欠損株を樹立した。トリコスポロン・アサヒのhog1遺伝子欠損株は高温感受性、酸化ストレス感受性、細胞膜ストレス感受性などの様々なストレスに対する感受性を示した。また、hog1遺伝子欠損株の菌糸は親株より長く、菌糸過形成の表現型を示した。さらに、カイコ感染モデルを用いた検討により、hog1遺伝子欠損株のカイコに対する病原性が低下していることが明らかになった。これらの表現型は、hog1遺伝子欠損株にhog1遺伝子を再導入した復帰株において抑圧された。以上の結果から、Hog1がトリコスポロン・アサヒのストレス抵抗性や病原性に関わる分子であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的であるトリコスポロン・アサヒの病原性に関わる分子としてHog1を同定することができた。この研究スキームを基本として、その他の病原性に関わる分子が同定できることが期待できる。

今後の研究の推進方策

令和5年度の研究から、分子遺伝学的にトリコスポロン・アサヒの病原性因子の解析が可能であることが明らかになった。この研究手法でその他のストレス応答関連因子やシグナル伝達因子の遺伝子欠損株を樹立して、病原性に大きく寄与する病原性因子の同定を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Hog1-mediated stress tolerance in the pathogenic fungus Trichosporon asahii2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Yasuhiko、Sugiyama Yu、Nagamachi Tae、Yoshikawa Asami、Sugita Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 13539-13539

    • DOI

      10.1038/s41598-023-40825-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 病原真菌Trichosporon asahiiのHog1 MAPキナーゼによるバイオフィルム形成の調節2024

    • 著者名/発表者名
      松本靖彦、小金澤彩智、金井弘美、中山メイ、清水優太、杉山悠、杉田隆
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(横浜)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 病原真菌Trichosporon asahii の転写因子Crz1が担う病原性機構2024

    • 著者名/発表者名
      清水優太、松本靖彦、吉友桂、遠藤寿伶希、杉田隆
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(横浜)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 病原真菌Trichosporon asahiiの病原性におけるオートファジー関連遺伝子群の役割2024

    • 著者名/発表者名
      中山メイ、松本靖彦、米本歩未、宮本和夢、倉門早苗、杉田隆
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(横浜)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カイコ感染モデルを用いた深在性真菌症を引き起こす真菌の病原性関連因子の評価2023

    • 著者名/発表者名
      松本靖彦、倉門早苗、山田剛、杉田隆
    • 学会等名
      第42回関東医真菌懇話会(東京)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 真菌感染症を克服するための基礎薬学研究2023

    • 著者名/発表者名
      松本靖彦、倉門早苗、山田剛、杉田隆
    • 学会等名
      第35回微生物シンポジウム(岡山)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 病原真菌Trichosporon asahii の感染に関わるシグナル伝達経路の同定2023

    • 著者名/発表者名
      松本靖彦、杉田隆
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会(福岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/Matsumon1980

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 明治薬科大学微生物学研究室

    • URL

      https://u-lab.my-pharm.ac.jp/~biseibutsu/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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