研究課題/領域番号 |
23K06165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
スイコ メリー・アン・ソテン 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 助教 (20363525)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ネフローゼ症候群 / 腎糸球体 / Nephrin / 化合物スクリーニング / HiBiT-Nephrin / 糸球体上皮細胞 (ポドサイト) / フィンランド型先天性ネフローゼ症候群 (CNF) / ハイスループットスクリーニング / HiBiT NanoLuc system |
研究開始時の研究の概要 |
糸球体上皮細胞 (ポドサイト) は、糸球体基底膜を覆うように存在する足細胞として知られ、隣接する細胞同士の足突起の規則的な噛み合わせとその間のスリット膜により、糸球体ろ過の最終障壁として機能する。本研究では、スリット膜を構成する Nephrin (NPHS1) の遺伝子変異を原因とする難治性疾患、フィンランド型先天性ネフローゼ症候群 (CNF) に着目し、Nephrinの細胞膜局在の検出を可能とするHiBiT-Nephrin NanoLuc恒常発現システムの構築とその検証、さらに、変異体Nephrinの膜上発現を制御する化合物や分子の探索のためのスクリーニングの実践を行う。
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研究実績の概要 |
フィンランド型先天性ネフローゼ症候群 (CNF) は,腎糸球体の最終濾過膜 (スリット膜) を形成するタンパク質Nephrinの遺伝子 (NPHS1) 変異で引き起こされ,生後3ヵ月以内に高度タンパク尿を呈する希少難治性腎疾患である.Nephrin変異体の細胞膜上発現の低下により病態が発症することから,本研究では,HTSに耐えうるNephrinの膜上発現評価系の構築および化合物スクリーニングを企図した.まず,Nephrinの細胞外ドメインにHiBiTを付加したHiBiT-NephrinをHEK293T細胞に過剰発現させ,その膜上発現を特異的に発光で検出する評価系を確立した.このとき,臨床報告のある15種類の変異体のHiBiT-Nephrinの発光値は,既報のNephrin膜上発現の結果と正に相関した.次に,iPS細胞株を独自に樹立済みのE725D変異体に着目し,HiBiT-Nephrin安定発現細胞株を作製し,Selleck社の天然物化合物ライブラリー (計2601化合物) でのスクリーニングを行った.その結果,溶媒処置群 (対照群) の120 %以上の発光値を示す41個の化合物を同定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り,CNFの新規治療薬の開発を究極の目的に,HiBiT-Nephirin評価系を用いた化合物スクリーニングを実施し,Nephrinの膜上発現を促進する化合物の探索を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後,同様の化合物処置を行い,Western Blottingを行い,化合物処置により変動するHiBiTの発光値とp-NephrinおよびUpper band-Nephrin(N型糖鎖修飾(成熟度の指標))の発現量に相関があるか否かを検証する.さらに、Hit 化合物から2種類ずつを組み合わせ, HiBiT-E725D Nephrin安定発現細胞株に処置し,発光値を相加的に上昇させる化合物の組み合わせを探索する.将来的には,変異型 Nephrin 安定発現細胞株を用いたsiRNAスクリーニング(特に、小胞体品質管理機構に関わる分子のsiRNA)を行う.最終的に,CNFの新規治療薬開発における重要な基礎的知見を提供するとともに,Nephrinの膜上発現促進機構の解明に向けた研究を実施していく.
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