研究課題/領域番号 |
23K06174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山村 彩 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40633219)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / Hippoシグナル / 血小板由来増殖因子 / リモデリング / 肺動脈 / 平滑筋 / YAP / TEAD / カルシウム感受性受容体 / 血小板由来増殖因子受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症は、肺血管の異常により起こる致死性の難病である。これまでに申請者は、カルシウム感受性受容体や血小板由来増殖因子受容体の発現亢進が、その病態形成に関与していることを明らかにした。本申請課題では、新たな病態形成シグナルとしてHippoシグナルに着目し、肺動脈性肺高血圧症のメカニズム解明を目指す。さらに、Hippoシグナルを標的とした肺動脈性肺高血圧症の新規治療薬の開発も展開する。
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研究実績の概要 |
肺高血圧症の中で最も典型的な臨床像を示す肺動脈性肺高血圧症は、肺血管の攣縮(過収縮)やリモデリング(肥厚・線維化・炎症)によって持続的に肺動脈圧が上昇する致死性の難病である。これまでに申請者は、肺動脈性肺高血圧症の病態形成にカルシウム感受性受容体や血小板由来増殖因子受容体の発現および機能の亢進が関与していることを明らかにした。ごく最近、健常人と肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞を用いて、RNAシークエンス解析を実施した。その結果、肺血管リモデリングに寄与するシグナル経路として、Hippoシグナルを同定した。肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞において、Hippoシグナルの中心的分子であるYAPおよび転写因子であるTEAD、線維化マーカーであるCYR61の発現が増加していた。Hippoシグナルは、細胞の生死・増殖・分化などを制御することが知られているシグナル経路である。血小板由来増殖因子受容体の下流シグナル経路として、Hippoシグナルが関与するという作業仮説を検討した結果、血小板由来増殖因子の刺激によって時間依存的にYAPやTAZが活性化(リン酸化)された。また、肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞では、YAPが核内に貯留していることも分かった。これらの発現増加は、血小板由来増殖因子受容体のsiRNAノックダウンによって抑制された。以上の結果より、血小板由来増殖因子受容体の下流シグナル経路として見出したHippoシグナルの活性化は、肺動脈性肺高血圧症の特徴である肺血管リモデリングに関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した本年度の計画に沿って、実験を進めることができた。また、その研究成果を学会発表や学術雑誌で精力的に発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
血小板由来増殖因子受容体の下流において、Hippoシグナル経路が関与しているという作業仮説を検討した結果、肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞において、Hippoシグナルの主要分子であるYAPや転写因子であるTEADが定常的に活性化、もしくは機能破綻していることを示唆する結果を得ている。今後の研究においては、YAPやTEADの活性を制御しているユビキチン化酵素や脱ユビキチン化酵素の活性について検討する予定である。
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