研究課題/領域番号 |
23K06177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
松田 将也 摂南大学, 薬学部, 講師 (30783005)
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研究分担者 |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
北谷 和之 摂南大学, 薬学部, 准教授 (40539235)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アレルギー / 細胞外小胞 / Type 1 regulatory T 細胞 / アレルゲン免疫療法 / 2型自然リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
アレルゲン免疫療法(AIT)を行った個体では、AIT処置部位近傍のリンパ組織において、制御性T細胞の一種であるTr1細胞の顕著な増加が認められる。炎症部位においては、アレルギー増悪に関与するILC2が抗炎症性細胞へ形質転換する現象が認められる。両現象の関係性は不明であるが、リンパ組織と炎症部位の間に何らかの相互調節機構の存在が推察される。最近、申請者は、Tr1細胞が分泌する細胞外小胞(Tr1-EV)が、ILC2の形質転換に関与することを明らかにしてきた。本研究では、Tr1-EVが炎症部位に集積し、ILC2の形質転換を惹起することでアレルギーを抑制すると仮説を立て、この真否について検証を行う。
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研究実績の概要 |
アレルギーの根治療法であるアレルゲン免疫療法(AIT)を行った個体では、AIT処置部位近傍のリンパ組織において、制御性T細胞の一種であるTr1細胞の増加が認められる。一方、炎症部位では、アレルギー増悪に関与する2型自然リンパ球(ILC2)の減少が認められる。したがって、リンパ組織と炎症部位の間に相互調節機構の存在が推察されるが、その詳細は不明である。Extracellular vesicles(EVs)は、細胞が分泌する膜小胞であり、遠隔の細胞に運ばれ、受容細胞の機能変化に関与する。本研究では、AITの効果発現におけるTr1細胞由来EVs(Tr1-EVs)の役割を明らかにすることを目的に、ILC2の活性化に及ぼすTr1-EVsの影響を解析した。 マウス脾臓CD4+ T細胞をIL-21、IL-27およびTGF-β存在下において培養し、Tr1細胞を誘導した。Tr1細胞ならびにナイーブCD4+ T細胞は、抗CD3/28抗体刺激下において培養した後、それぞれのEVsを単離した。Tr1細胞あるいはナイーブCD4+ T細胞由来EVs存在下において、ILC2を培養後、サイトカイン産生ならびに増殖を解析した。 (1)Tr1-EVsは、ILC2のIL-5およびIL-13産生を濃度依存的に抑制した。一方、ナイーブCD4+ T細胞由来EVsは、その産生を濃度依存的に増強した。(2)Tr1細胞由来EVsの存在下においてILC2を培養すると、その増殖が有意に減弱した。一方、ナイーブCD4+ T細胞由来EVsのILC2増殖に対する有意な抑制は認められなかった。(3)Tr1細胞由来EVsにおいては、ナイーブCD4+ T細胞と比較して大量の抗炎症性サイトカインの含有が認められた。 Tr1-EVsは、ILC2の増殖を抑制することで、炎症の鎮静化に関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Tr1-EVsの単離方法などを概ね確立することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
Tr1-EVsの抑制機構を明らかにするために、Tr1-EVsに含有されるmiRNA、タンパクなどの解析を行う。さらに、Tr1-EVsを喘息モデルマウスに投与することで、その病態形成を抑制するか否か検討を行う。
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