研究課題/領域番号 |
23K06180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
犬塚 俊康 岐阜大学, 高等研究院, 准教授 (50467271)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 渦鞭毛藻 / 長鎖ポリオール化合物 / 単離 / 質量分析 / NMR / MS/MS / 構造解析 / ポリオール |
研究開始時の研究の概要 |
多様な渦鞭毛藻種を培養し、その生産物質の中から分子量1000を超える新規長鎖ポリオール化合物を探索する。見出した新規長鎖ポリオール化合物の単離法を確立し、NMRやマススペクトル解析によりその構造解明を行う。さらに、各化合物の生物活性評価を行った後、他の超炭素鎖化合物の構造情報や生物活性に関する情報の比較や集積を行い、長鎖ポリオール化合物の分子機能の解明、化合物の存在意義について知見を見出す。
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研究実績の概要 |
本年度は、渦鞭毛藻Amphidinium sp.から見出した新規長鎖ポリオール化合物のうち、分子量1300~2200程度であるamdigenol I、M、および、Lの構造解析を中心に研究を進めた。 分子量2200程度の新規長鎖ポリオール化合物amdigenol Iの構造決定のために必要な分析を行うために、化合物の物質量をできるだけ確保するための精製法の改良を行った。その結果、MS/MS分析で直鎖状の化合物の炭素鎖両末端の構造を推定し、その推定構造がNMRスペクトル解析によって正しいことを示すことができた。 分子量1400程度の新規長鎖ポリオール化合物amdigenol Mは、物質生産量が少なく、NMRスペクトル解析を行うのが困難な物質量しか得られなかったが、構造決定のため、MS/MS分析を実施した。その結果、化合物の平面構造を推定することができた。 分子量2150程度の新規長鎖ポリオール化合物amdigenol Lも、物質生産量が少なく、NMRスペクトル解析を行うのが困難な物質量しか得られなかった。構造決定のため、MS/MS分析を実施した結果、化合物の炭素鎖骨格の一方の末端側から半分程度の平面構造を推定することができた。 渦鞭毛藻Symbiodinium sp.から分子量2800~3500の新規長鎖ポリオール化合物を複数発見した。その単離法を確立しつつあるが、分子量3000を超える化合物群はその物質生産量が少なく、構造決定に必要なスペクトルデータを得るだけの物質量を確保するのが困難であると推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
渦鞭毛藻Amphidinium sp.から新規長鎖ポリオール化合物amdigenol類を新たに見出すことができ、その精製法も一部の化合物については確立することができた。そして、見出した化合物のうちの1つ、amdigenol Mの平面構造をMS/MS解析によって明らかにすることもできた。今後、構造解析中のamdigenol Iをはじめ、同定できていないamdigenol類の構造解析も、解析法について見通しが立てられている。 渦鞭毛藻Symbiodinium sp.から分子量2800~3000の新規長鎖ポリオール化合物の単離法を確立することができた。そのため、各種スペクトル解析するだけでなく、化学分解による断片化を行うことが可能な物質量を数カ月程度で供給できるようになった。今後、断片化反応の条件を確立することで、スペクトル解析の結果と合わせて、化合物の構造決定が可能となる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
渦鞭毛藻Amphidinium sp.から見出した新規長鎖ポリオール化合物amdigenol Iの構造決定のため、渦鞭毛藻培養量を増やし、見出した単離手法によりより多くの化合物を供給する。新たに供給できた化合物を用いてNMRスペクトル解析等のより詳細なスペクトルデータを得て、分子構造の解明を行う。 渦鞭毛藻Symbiodinium sp.から見出した分子量2800~3000程度の新規長鎖ポリオール化合物の構造決定のため、NMRスペクトル、MS/MSスペクトルなど詳細なスペクトルデータを得て、分子構造の解明を行う。また、並行して、分解反応による化合物の断片化によって、化合物の部分構造を解明する。
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