研究課題/領域番号 |
23K06183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中村 亮介 北里大学, 薬学部, 助教 (50383659)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | メチル水銀 / 抗メチル水銀薬 / サポニン誘導体 / オンジエキス / サポニン化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では低濃度メチル水銀(MeHg)ばく露の生体影響に対して効果を示す新規化合物を見出すことを目的とする。研究期間を通じてin vitroおよびin vivoにおいて、①OA3Gluを含む抗MeHg薬となり得る候補化合物のMeHg毒性抑制の機構を明らかにすること、②オンジエキスの抗MeHg薬としての有効性を検証すること、を目指す。
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研究実績の概要 |
我々はオレアノール酸 (OA) のC3位にグルコースが結合したサポニン誘導体であるOA-3-グルコシド (OA3Glu) を抗メチル水銀活性を持つ化合物として見出している。 マウスにおいてメチル水銀による運動障害を複数の観点から評価するため、現在採用している四肢にかかる重量を測定するDynamic waight bearing test以外の評価手法について検討したところ、細い棒の上を渡る間に後足を踏み外す頻度を計測するBeam walking testによって、メチル水銀による運動障害を評価できると考えられた。マウスに週5回4週間にわたりOA3Gluおよびメチル水銀を経口投与し、Dynamic waight bearing testおよびBeam walking testによってOA3Gluの抗メチル水銀作用について検討したところ、どちらの試験においてもメチル水銀によって生じた運動機能障害をOA3Gluが軽減することが示された。 また、生薬オンジの含有成分であるオンジサポニン類の中に神経保護やオートファジー誘導といったメチル水銀毒性の軽減につながる可能性がある活性を持つ化合物があることから、オンジエキスが抗メチル水銀活性を持つ可能性があると考え、本年度にオンジエキスの抗メチル水銀効果についての検討に着手した。Beam walking testにおいて後肢機能を評価したところ、メチル水銀投与によって増加した後肢の踏み外しがオンジエキス投与によって減少したことから、オンジエキスはメチル水銀による運動障害を軽減させる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、1. オレアノール酸-3-グルコシド(OA3Glu)の抗メチル水銀作用機構の解析、2. オンジエキスによる抗メチル水銀作用の検討を主な目的としているが、本年度は、OA3Gluの抗メチル水銀作用に関する解析は当初の計画に比べて遅れている一方で、オンジエキスの抗メチル水銀活性の評価に着手し、オンジエキスに一定の抗メチル水銀効果を見出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、1. オレアノール酸-3-グルコシド(OA3Glu)の抗メチル水銀作用機構の解析、2. オンジエキスによる抗メチル水銀作用の検討を並行して行っていく予定である。また、動物の系統によるメチル水銀感受性や抗メチル活性の違いについて考慮するため、複数の系統のマウスを用いて検証を進める。
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