研究課題/領域番号 |
23K06198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中西 宏明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90392274)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 生薬 / 牛黄 / 産地識別 / 遺伝子解析 / SNP |
研究開始時の研究の概要 |
牛黄は、ウシの胆のう中に生じた結石であり、生薬として用いられている。牛黄の産地として、オーストラリア、中南米、インド、アフリカなどがあるが、産地により価格が大きく異なることが知られている。なかでもオーストラリア産は品質が優れていると言われ、高値で取引されている。そのため、産地を偽って販売されるおそれもあり、正しい産地の表記で流通させるためには、牛黄の産地を識別できる検査法が必要である。そこで、本研究は、遺伝子解析により牛黄の産地を識別できる検査法を構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、牛黄サンプルの収集と、DNA抽出、抽出DNAを用いてのミトコンドリアDNA解析およびマイクロアレイによるSNP解析を実施した。 牛黄は、近年流通量が少なく、価格も高騰しているため、数多く収集できなかったが、42個体(オーストラリア産25個体、ブラジル産12個体、アルゼンチン産5個体)を収集できた。 DNAは42個体すべてから抽出できたものの、収量が50ng以下(濃度1ng/μL以下; 50μLで溶出)の個体も多くあり、収量のバラツキが大きかった。また、電気泳動の結果から、全体的にDNAが分解していることが窺えた。 ミトコンドリアDNA解析では、ミトコンドリア全領域とD-loop領域のみの解析を試みたが、DNAが分解傾向であることから、長い領域をPCR増幅するのが困難であった。そのため、全領域の解析は行わず、D-loop領域(約1kbp)のみの解析を行った。その結果、ハプロタイプは3通りにしか分類されず、産地による違いも観察されなかった。 マイクロアレイによるSNP解析は、イルミナ社のBovineSNP50 v3.0を用いて53218個のSNPの型判定を試みた。前述のとおり、DNAが分解傾向にあり、さらに収量も少ないことから、多くのSNPで型判定できず、42個体のうち8割以上に当たる34個体以上で型が判明したSNPは645個にとどまった。現在は、これらのSNPに対して産地間で有意差のあるSNPを抽出することを試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
牛黄は、近年流通量が少なく、価格も高騰しているため、入手に非常に時間がかかったことから、研究の開始が大幅に遅れた。 牛黄から抽出されたDNAが劣化していたことから、ミトコンドリアDNA全領域の解析を省略し、D-loop領域の解析に絞ったため、全体の進捗状況としては、やや遅れている程度にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイにより解析できたSNP(645個)について、産地識別に有用なSNPの選択を行い、選択したSNPを用いてソフトウェアにより、どのくらいの精度(尤度比)で産地識別できるかを検討する。 また、残ったDNAを用い、MIG-Seq解析による分類も試みる。
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