研究課題/領域番号 |
23K06200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
石川 和樹 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30779822)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Streptomyces / actinorhodin / ピラン環 / 放線菌 / ポリケタイド / 微生物酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンゾイソクロンキン(BIQ)系ポリケタイドの複雑な生合成システムの解明により得られる生合成酵素や中間体は新規化合物の創製に大きく貢献する有用な研究対象である。しかし、主要中間体DNPAの生合成酵素であるDNPA合成酵素群による反応機構などの詳細な機能解析は行われていない。そこで、本研究では、本合成酵素群を用いた非天然型ポリケタイドの創製を目指し、DNPA合成酵素群の包括的な機能解析を行い、DNPA合成機構を解明する。本研究の遂行は、新規非天然型BIQ系PKの創製を可能にし、医薬品や香粧品分野などの知識集約型産業において、BIQ系PKの高付加価値化や潜在的有用性を開拓する。
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研究実績の概要 |
今年度は、ベンゾイソクロマンキノン(BIQ)系ポリケタイド(PK)の共通生合成中間体DNPAの生成に関与するピラン構築を触媒することを明らかにしているグラナチシン(GRA)生合成酵素Gra6の詳細な機能解析を行った。特に、Gra6による反応生成物であるDNPAの3位不斉炭素の立体化学を確定させることで、本酵素の機能の立体制御能力を明らかにすることできる。 すでに構築してあるGra6の異宿主発現システムを用いてGra6を発現・取得した。これを、同じくすでに構築済みのS-DNPA合成系に組み込むことでGra6によるDNPA合成系を構築した。本反応系によって生成されたDNPAの立体化学を、キラルカラムを用いたHPLCによる光学分析を行った。その結果、本酵素は厳密に立体化学を制御した反応を触媒していることが明らかになった。さらに、先行研究において、Gra6の反応に関与することが示唆されていたGRA生合成酵素の関与をin vitroで評価するため、Gra6と同様の手法を用いて組換え酵素の調製を行い、前述のGra6によるDNPA合成系に組み込み生成物の評価を行った。その結果、先行研究で推測されていたGra6の反応への関与は認められなかった。また、分子モデリングソフトMOEを用いた反応基質とのドッキングシミュレーションを行うことで、Gra6による反応メカニズムの一端を明らかにすることができた。 以上の研究結果は、2023年度(第37回)日本放線菌学会(広島)においてポスターで学会発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では、Gra6の機能解析を目標に計画を立案をしている。特に、Gra6による生成物の立体化学の解明は本研究課題の主題である「立体化学の制御」において、重要な過程である。そのため、今年度の実験結果によってこれらを明らかにできたことは、来年度以降の進捗においても大きく寄与する。また、今年度の研究結果においては、学会での発表を行えており、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究結果により、ピラン環の構築に関与すると推測されていた酵素のひとつであるGra6の機能解析を行うことができた。そこで、来年度以降では、同様の手法を用いてピラン環の構築に関することが推測されている各種酵素の機能解析を行う予定である。また、今年度の結果については、学術論文での発表を計画している。
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