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ミトコンドリア障害神経モデルの構築およびフレイルに対する漢方薬の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K06204
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
研究機関福岡大学

研究代表者

窪田 香織  福岡大学, 薬学部, 講師 (60380557)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードAβ / ミトコンドリア障害 / ロテノン / 漢方 / フレイル / 神経障害 / ミトコンドリア
研究開始時の研究の概要

フレイルの症状においてミトコンドリア機能を賦活する漢方薬のニーズが高まっているが、作用機序は明らかでない。そこで、①ニューロンの形態・機能変化を網羅的かつスピーディーに解析できるミトコンドリア機能障害神経モデルシステムの構築、②漢方薬および構成生薬のニューロン形態・ミトコンドリア機能変化に対する影響の検証を実施する。これら漢方薬の精神神経作用の機序解明を行い、漢方薬を用いたフレイルに対する相補・代替療法の確立、新規治療薬の臨床への提案に繋げる。

研究実績の概要

アルツハイマー病やパーキンソン病、うつ病、自閉症スペクトラム障害、多発性硬化症など多くの神経疾患の発症・進展には、神経細胞のエネルギー代謝が深く関与しており、エネルギー産生の場であるミトコンドリアの機能不全がすべての疾患の基盤にあると考えられている。アルツハイマー病では、原因物質のAβが蓄積することにより、ミトコンドリアの膜電位の低下、ミトコンドリアの量・局在の異常や活性酸素量の変化が生じることが考えられている。
そこで本研究初年度は、オータプス培養標本にAβやミトコンドリア障害誘導薬ロテノンを処置してミトコンドリア機能障害を誘導し、ミトコンドリア機能を解析するためのモデル細胞系の構築を行った。まず、初代培養アストロサイトを島状に区画培養し、1週間後ニューロンを共培養することにより、単一のニューロンを区画内に培養した。この標本に各濃度のAβやロテノンを処置することによりミトコンドリア障害を誘導した。ニューロン形態変化(軸索や樹状突起)に対する神経障害の影響を免疫染色法により解析し、Sholl analysis 法によって樹状突起と軸索の伸展を解析した。その結果、神経障害モデルとしての薬物処置条件やモデルの形態の特徴を決定した。さらに、ミトコンドリア機能が障害を受けると、ミトコンドリア膜電位は低下する。ミトコンドリア膜電位評価用蛍光色素(JC-1など)を用いてミトコンドリア膜電位を測定し、Aβやロテノン処置によりミトコンドリア障害が生じたことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究初年度は、オータプス培養標本を用いたAβ誘導ミトコンドリア障害モデル細胞系とロテノン誘導ミトコンドリア障害モデル細胞系の構築を目的に、形態学的解析を実施し、
ミトコンドリア障害神経モデルとしての妥当性を検討した。障害誘導時のニューロン形態変化(軸索や樹状突起)に対する神経障害の影響を免疫染色法により解析した。Sholl analysis 法によって樹状突起と軸索の伸展を解析したところ、いずれのモデルも神経障害を呈した。さらに、ミトコンドリア膜電位評価用蛍光色素(JC-1など)を用いてミトコンドリア膜電位を測定し、Aβやロテノン処置によりミトコンドリア障害が生じたことを確認したが、検出機器の納入や実験系の構築に時間がかかり、現在解析中である。

今後の研究の推進方策

本研究初年度は、オータプス培養標本を用いたAβ誘導ミトコンドリア障害モデル細胞系とロテノン誘導ミトコンドリア障害モデル細胞系の構築を実施し、神経モデルとしての妥当性を検討したところ、神経障害を確認できた。本年度は、昨年度に引き続きミトコンドリア膜電位の評価や、ミトコンドリアの量・局在の解析を進め、Aβ処置やロテノン処置によるミトコンドリア障害の確認する。さらに障害モデルの酸化ストレス・マイトファジー関連因子の解析も併せて進める。
以上の方法でモデル細胞系の構築を完成させたのち、このミトコンドリア障害神経モデルを用いて漢方薬の有効性の確認を行う。初めに細胞障害に対して形態学的に改善効果を示す人参養栄湯・加味帰脾湯など候補漢方薬や生薬の探索を実施する。ミトコンドリア膜電位、量・局在の変化、酸化ストレスやマイトファジーに対する候補漢方薬の改善効果の検討も併せて進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Kamikihito reduces β-amyloid25?35-induced axon damage via neurotrophic factors2023

    • 著者名/発表者名
      Nagamatsu Takumi、Kubota Kaori、Watanabe Takuya、Katsurabayashi Shutaro、Iwasaki Katsunori
    • 雑誌名

      Journal of Natural Medicines

      巻: 78 号: 1 ページ: 246-254

    • DOI

      10.1007/s11418-023-01761-3

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 人参養栄湯と加味帰脾湯のミトコンドリア活性化作用に関わる構成生薬の解明2024

    • 著者名/発表者名
      石田恵理奈, 永松拓海, 窪田香織, 篠倉菜緒, 渡辺拓也, 桂林秀太郎, 岩崎克典
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 人参養栄湯および加味帰脾湯の酸化ストレス防御因子活性化によるミトコンドリア機能改善効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      永松拓海, 窪田香織, 石田恵理奈, 篠倉菜緒, 渡辺拓也, 桂林秀太郎, 岩崎克典
    • 学会等名
      第40回和漢医薬学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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