研究課題/領域番号 |
23K06217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山崎 浩史 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (30191274)
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研究分担者 |
清水 万紀子 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (90307075)
村山 典惠 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (90219949)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 不活性化 / P450 2D6 / アトモキセチン / パロキセチン |
研究開始時の研究の概要 |
日本人小児患者の注意欠陥治療薬アトモキセチン血中濃度に及ぼすP450 2D6 遺伝子多型の影響の詳細は明らかではない。遺伝的多型に伴う活性低下/欠損による薬物動態パラメータの変動からin silicoモデリングによるヒト薬物動態を予測し、個人差情報を充実させる方法を構築する。パロキセチンによりP450 2D6 をin vivo不活化したヒト型モデル動物でのアトモキセチン体内動態をモデルとし、ヒト血中濃度推移を薬物動態モデリング手法にて可視化し、酵素活性の低下とin vivo血中濃度推移の関係を提示する。遺伝的多型定量的予測のための酵素不活化ヒト肝移植マウスと動態モデリング手法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
注意欠陥・多動性障害治療薬アトモキセチンおよび抗うつ薬パロキセチンはシトクロムP450 2D6 (CYP2D6)のプローブ薬として知られており、後者はCYP2D6阻害薬としても知られている。アトモキセチンおよび阻害剤であるパロキセチン投与ヒト肝移植マウスから得られた体内動態情報からアトモキセチンおよびその代謝物のヒト体内動態を予測した。ヒト肝移植マウス血中および尿中のアトモキセチンおよび二種の酸化的代謝物濃度およびパロキセチン濃度を実測した。簡素な生理学的薬物動態(PBPK)モデル手法でアトモキセチンのヒト血中および尿中濃度推移の予測を試み、アトモキセチンを服用している小児患者の血中薬物濃度との比較を行った。パロキセチン前投与したヒト肝移植マウスのアトモキセチンおよびアトモキセチン脱メチル体のAUCは、パロキセチン投与なしに比較して高値を示した。一方、アトモキセチン水酸化体濃度はパロキセチン前投与により低値を示した。ヒト肝移植マウスの実測血中濃度から、ヒト仮想投与血中濃度曲線を作成したところ、本薬服薬小児患者血中濃度に一部一致した。パロキセチン前投与ヒト肝移植マウスのアトモキセチン血中濃度推移からヒトCYP2D6*1等の野生型アレルを有しないヒトのアトモキセチンおよび代謝物の血中濃度推移を予測したところ、小児患者血中濃度にほぼ一致した。予測尿中アトモキセチンおよび代謝物濃度比は野生型アレルの有無によって相違があることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パロキセチン前投与ヒト肝キメラマウスから小児患者血中および尿中濃度の予測が可能であると推察された。CYP2D6阻害剤併用および非併用ヒト肝移植マウスのアトモキセチン体内動態情報からヒトアトモキセチン体内動態予測が可能であると推察されたことから、概ね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
アトモキセチンの小児患者において、非侵襲的に採取可能な尿中薬物濃度からCYP2D6遺伝子型の予測の可能性をさらに検討する。
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