研究課題/領域番号 |
23K06218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
久保 義行 帝京大学, 薬学部, 教授 (20377427)
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研究分担者 |
赤沼 伸乙 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (30467089)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血液精巣関門 / 薬物輸送 / トランスポーター / 膜輸送 / 抗ウイルス薬 / 栄養物 / 物質輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
精巣では、精子形成などの生殖に関するイベントに加え、薬物・毒物による精巣毒性、精巣腫瘍、ヒト免疫不全ウイルスなどの感染症、男性不妊などの病態が存在する。これらの原因究明や薬物治療の安全性と効率性の向上には、精巣の関門輸送機構に関する知見が必須であり、その探索と分子機序解明が重要となる(図1)。本申請では、血液精巣関門の輸送機構に着目し、1) 関門輸送機構の探索、2) 機能特性と分子実体の同定、3) 個体での役割、を検証・解明し、精巣を標的とする薬効・毒性予測や薬物送達の開発に向けた基盤構築を行う。
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研究実績の概要 |
精巣では、精子形成に加え、薬物・毒物による精巣毒性、精巣腫瘍、ヒト免疫不全ウイルスなどの感染症、男性不妊などの病態が存在する。これらの原因究明や薬物治療の安全性と効率性の向上には、精巣の関門輸送機構に関する知見が必須であり、その探索と分子機序解明が重要となる。本研究では、血液精巣関門の輸送機構に着目し、1) 関門輸送機構の探索、2) 機能特性と分子実体の同定、3) 個体での役割、を検証・解明し、精巣を標的とする薬効・毒性予測や薬物送達の開発に向けた基盤構築を行う。 本年度は、種々の薬物・栄養物に着目して解析を進めてきたが、特に抗ウイルス薬であるリバビリンに関して興味深い結果が得られた。リバビリンの血液精巣関門透過機構を解析したところ、In vivo解析(インテグレーションプロット)では、血液精巣関門を介した促進的なリバビリン取り込み輸送機構の存在が示唆された。またIn vitro解析として、血液精巣関門モデル細胞であるTM4細胞を用いた輸送解析を実施した結果、速度論的パラメーター(Km, Vmaxなど)が得れた。さらに、モデル細胞における阻害解析を実施した結果、アデノシンやアデニン、イノシン、グアノシン、NBMPR(100 μM)などによって有意な阻害効果が示された一方、NBMPR(100 nM)やジピリダモール(100 nM)では阻害効果が示されなかった。このような阻害感受性から、血液精巣関門を介したリバビリン輸送機構にヌクレオシドトランスポーターの寄与が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗ウイルス薬リバビリンに関しては、これまでのところ、計画(1、In vitro 解析による関門輸送機構の探索)と計画(2,関門輸送機構の特性評価)が滞りなく完了している。
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今後の研究の推進方策 |
リバビリンの血液精巣関門透過機構に関与する膜輸送機構の特性評価までが完了していることから、今後はその実体同定や発現解析を実施する予定である。これによって、血液精巣関門を介した抗ウイルス薬やヌクレオシドの輸送機構の詳細を明らかとする。
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