研究課題/領域番号 |
23K06224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
栄田 敏之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00304098)
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研究分担者 |
豕瀬 諒 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10868152)
村木 優一 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50571452)
河渕 真治 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70747237)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | SGLT2 inhibitor / dapagliflozin / chronic heart failure |
研究開始時の研究の概要 |
経口糖尿病治療薬であるナトリウム・グルコース共輸送担体2(SGLT2)阻害剤ダパグリフロジンについては、最近、慢性心不全の効能・効果が追加承認され、注目を集めている。バイタルサインや臨床検査値等の改善を介したものとの意見もあるが、それらと慢性心不全に対する有効性との関係性は明らかでない。本研究では、ダパグリフロジンの投与が開始されたⅡ型糖尿病患者を対象としてバイタルサインや臨床検査値等の改善、慢性心不全に対する有効性を明らかにするとともに、各種病態モデルラットを用いてそのメカニズムを解明し、大規模保険請求情報の解析を介して、これらがSGLT2 阻害剤に共通しているか否かについて情報を収集する。
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研究実績の概要 |
本研究計画は、1)Ⅱ型糖尿病患者を対象とした臨床研究(令和5~6年度)、2)各種病態モデルラットを用いた基礎研究(令和6~7年度)、3)大規模保険請求情報を用いた薬剤疫学的研究(令和6~7年度)、から構成されている。令和5年度の実績について、以下、詳述する。 1)Ⅱ型糖尿病患者を対象とした臨床研究:研究計画書の通り、市立砺波総合病院(富山県)に通院しているⅡ型糖尿病患者を対象とした。ダパグリフロジンの投与開始前、開始1ヵ月後、3ヵ月後、6ヶ月後、9ヵ月後、12ヶ月後、以降半年間隔で、通常の検査を実施するとともに、慢性心不全の発症・進行に関する情報を収集した。症例数は85名に達した。現時点で、血糖値と共に、体重、尿酸値、、Zn値、TG値、ALT値、AST値等が有意に低下すること、Mg値が有意に上昇することが明らかになった。しかしながら、慢性心不全が発症した患者数が想定より少なく、慢性心不全の発症・進行との関係を明確にはできなかった。研究計画書の通り、令和6年度以降も、臨床研究を継続する。 2)各種病態モデルラットを用いた基礎研究:令和6~7年度にて実施予定の基礎研究を先行して開始した。Ⅱ型糖尿病モデルラット、脂質異常症モデルラットを用いた。ダパグリフロジンを臨床用量に準拠して投与し、投与群、対照群のバイタルサインや臨床検査値等を比較した。臨床研究で確認できた臨床検査値の変動のうち、電解質の変動をⅡ型糖尿病モデルラットで、TG値の改善を脂質異常症モデルラットで確認できた。 3)大規模保険請求情報を用いた薬剤疫学的研究:令和6~7年度にて保険請求情報を用いて実施予定の薬剤疫学的研究に先行して、大規模有害事象自発報告データベースを用いて検討を開始した。SGLT2 阻害剤6剤で有害事象の発現にかかるシグナル検出に違いがあることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)Ⅱ型糖尿病患者を対象としたの臨床研究:研究計画書の通り、順調に進行している。2)各種病態モデルラットを用いた基礎研究:令和6~7年度にて実施予定の基礎研究を先行して開始した。令和5年度にて予備的な研究が完了した。3)大規模保険請求情報を用いた薬剤疫学的研究:令和6~7年度にて保険請求情報を用いて実施予定の薬剤疫学的研究に先行して、大規模有害事象自発報告データベースを用いて検討を開始した。令和5年度にて予備的な研究が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
1)Ⅱ型糖尿病患者を対象としたの臨床研究:研究計画書の通り、症例数を追加し、より精度の高い情報とする。バイタルサインや臨床検査値等の改善と慢性心不全の発症・進行の関係性を解析するにあたって、通常の多変量解析とともに、母集団薬物動態学的-薬力学的解析(PPK-PD解析)を介して、定量的な評価を行う。2)各種病態モデルラットを用いた基礎研究:令和5年度、各種病態モデルラットにて、臨床研究での知見(電解質の変動やTG値の改善)を再現できたことを受け、研究計画書の通り、そのメカニズムの解明に着手する。3)大規模保険請求情報を用いた薬剤疫学的研究:研究計画書の通り、保険請求情報を入手して、解析を開始する。
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