研究課題/領域番号 |
23K06225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桂 敏也 立命館大学, 薬学部, 教授 (10283615)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 薬物動態 / 医薬品適正使用 / 直接作用型経口抗凝固薬 / ゲノム薬理学 / 薬物動態学 / 母集団薬物動態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
心原性脳塞栓症の予防に使用される活性型血液凝固第X因子(第Xa因子)阻害薬は、添付文書に記載されている用法・用量に準じて投与しても出血症状が高頻度で認められること、薬効や出血症状を反映する指標が確立されていないことが問題になっている。本研究では、第Xa因子阻害薬を服用中の患者の血液検体を用いて薬物血中濃度を測定し、薬物動態や薬効・副作用発現に関する数理モデル解析の手法を用いて、第Xa因子阻害薬による薬効や出血症状・血栓塞栓症の発症頻度の変動要因について解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
心原性脳塞栓症の予防に使用される活性型血液凝固第X因子(第Xa因子)阻害薬は、添付文書に記載されている用法・用量に準じて投与しても出血症状が高頻度で認められること、薬効や出血症状を反映する指標が確立されていないことが問題になっている。本研究では、第Xa因子阻害薬による薬効や出血症状・血栓塞栓症の発症頻度の変動要因について解明し、さらに精度の高い曝露-反応解析を実施することを目的とする。令和5年度は以下の知見を得た。 1) 心房細動患者におけるアピキサバン内服による出血症状に関する危険因子の解析:滋賀医科大学医学部附属病院循環器内科・薬剤部との共同研究として実施した。薬物トランスポーターABCG2 421C>Aの遺伝子多型を保有する心房細動患者では、アピキサバンの曝露量が多くなることで出血しやすい状態にある可能性が示唆され、ABCG2 421C>A遺伝子多型を保有する患者ではアピキサバンによる出血の頻度が4.2倍上昇することが予想された。 2) 早期消化器癌患者におけるアピキサバンの薬物動態/薬力学/ゲノム薬理学的解析:東京医科大学消化器内視鏡学との共同研究として実施した。母集団薬物動態/ゲノム薬理学的 (PPK/PGx) 解析の結果、アピキサバンの経口クリアランスはクレアチニンクリアランス値に正比例すること、ABCG2 421C/AまたはA/A遺伝子型を保有する患者では低下することが明らかとなった。さらに母集団薬物動態/薬力学 (PPK/PD) 解析を行ったところ、アピキサバンのIC50値は喫煙患者で1.75倍上昇し、喫煙が第Xa因子に対するアピキサバンの感受性を低くする可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第Xa因子阻害薬の母集団薬物動態/薬理ゲノム解析に関しては順調に解析が進行しており、一定の研究成果をあげている。また、生理学的薬物動態解析を実施するためのデータ収集の一環として、第Xa因子阻害薬の経細胞輸送と代謝反応解析に着手しており、今後の進展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き第Xa因子阻害薬の母集団薬物動態/薬理ゲノム解析を進めると共に、第Xa因子阻害薬の曝露-反応解析を実施する。また、第Xa因子阻害薬の経細胞輸送と代謝反応解析を進め、必要なパラメータが得られた時点で生理学的薬物動態解析に着手する予定である。研究計画に大きな変更はなく、当初計画通り進める予定である。
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