研究課題/領域番号 |
23K06234
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
合田 光寛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40585965)
|
研究分担者 |
石澤 啓介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60398013)
新村 貴博 徳島大学, 病院, 特任助教 (50910014)
相澤 風花 徳島大学, 病院, 特任助教 (80848367)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 薬剤性腎障害 / 医療ビッグデータ解析 / ドラッグリポジショニング / 病態モデル解析 / 医療ビッグデータ / オミックスデータベース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従来の手法とは全く逆のアプローチから、新たな創薬戦略の確立を目指す。まず、薬剤性腎障害に対して実際に臨床で効果が認められる予防薬候補を、リアルワールドデータである医療ビッグデータ解析から抽出し、その結果を元に、基礎生命科学データベース解析および基礎薬理学的検証を実施することにより、リアルワールドに基づいた真の病態責任因子を解明する。本研究により、薬剤性腎障害のより効果の高い予防薬開発のみならず、医療ビッグデータ駆動型の新たな創薬手法の発展に寄与することが期待される。
|
研究実績の概要 |
薬剤性腎障害は、薬物治療の妨げになるだけではなく、患者のQuality of life (QOL)を著しく低下させるため、薬剤性腎障害のコントロールは臨床上非常に重要である。しかし、現状の薬剤性腎障害に対する対応では、完全に腎障害を抑えることはできないため、新たな予防法の開発が求められている。一方で、基礎研究では薬剤性腎障害に有効性が認められる薬剤が報告されているが、現在まで臨床応用に至っている例はない。これは、従来の基礎研究からのアプローチでは、臨床で病態増悪に関わっている責任因子を明らかにすることが困難であることを示している。そこで、本研究では、薬剤性腎障害に対して実臨床で高い効果を発揮する予防薬の創生という課題を解決するため、リアルワールドデータである医療ビッグデータ解析によって臨床で効果が認められる予防薬候補を抽出し、基礎生命科学データベースと基礎薬理学的手法を融合させた研究手法を活用して、薬剤性腎障害の真の病態責任因子の解明を目指す。 2023年度は、医療ビッグデータ解析を用いた薬剤性腎障害予防薬の抽出を行った。臨床で問題になっている薬剤性腎障害の原因薬剤として 、抗がん剤であるシスプラチン、抗菌薬であるバンコマイシンに着目して解析を行った。医薬品有害事象自発報告データベースとして、FDA に蓄積されているFAERS (FDA Adverse Event Reporting System) 、及び世界保健機構(WHO) 国際医薬品モニタリング制度加盟国から集積されている個別症例安全性報告データベースVigiBaseを解析し、シスプラチンもしくはバンコマイシン投与による有害事象の報告症例において、腎障害の報告割合を有意に減少 (報告オッズ比を低下) させる既存の併用医薬品を抽出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、医療ビッグデータ解析を用いた薬剤性腎障害予防薬の抽出を行った。臨床で問題になっている薬剤性腎障害の原因薬剤として 、抗がん剤であるシスプラチン、抗菌薬であるバンコマイシンに着目して解析を行った。医薬品有害事象自発報告データベースとして、FDA に蓄積されているFAERS (FDA Adverse Event Reporting System) 、及び世界保健機構(WHO) 国際医薬品モニタリング制度加盟国から集積されている個別症例安全性報告データベースVigiBaseを解析し、シスプラチンもしくはバンコマイシン投与による有害事象の報告症例において、腎障害の報告割合を有意に減少 (報告オッズ比を低下) させる既存の併用医薬品を抽出し、予防薬候補として、いくつかの医薬品を選出できた。 以上よりおおむね順調に進展していると評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に得た研究結果より、シスプラチン誘発腎障害、もしくはバンコマイシン誘発腎障害に対して予防効果があることが示唆される予防薬候補を抽出した。 2024年度は、シスプラチン誘発腎障害、もしくはバンコマイシン誘発腎障害のモデルマウスを用いて、医療ビッグデータ解析によって抽出された予防薬候補の予防効果及びその作用機序を検証する。
|