研究課題/領域番号 |
23K06243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
亀井 浩行 名城大学, 薬学部, 教授 (60345593)
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研究分担者 |
半谷 眞七子 名城大学, 薬学部, 准教授 (40298568)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能障害 / 精神運動機能試験 / 精神障害者社会生活評価尺度 / 認知機能評価 / 社会参加 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症の認知機能障害の程度は、日常生活能力と実社会の機能を予測する重要因子である。統合失調症患者の約8割が非雇用状態であり、社会参加・就労につながる認知機能評価が社会的にも要請されている。本研究では、実臨床においてより簡便かつ客観的で信頼性のある認知機能評価を開発するために、精神運動機能試験テストバッテリーに着目し、その認知機能評価の妥当性を検討し、新たな認知機能評価プログラムを構築する。
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研究実績の概要 |
統合失調症(Sc)患者における認知機能障害は、就労などの社会・生活機能と深く関係している。実際、Sc患者の約8割が非雇用状態であることから、就労につながる認知機能の評価が重視されている。しかし、既存の認知機能評価法である日本語版統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS-J)では、評価に長時間を要し、患者への負担が大きく、特別なトレーニングを受けた評価者に限定されるなどの問題点が存在する。これらの問題点を解消するためには、客観的かつ簡便な評価法の開発が喫緊の課題である。本研究では、Sc患者を対象に新たな評価法である精神運動機能試験(PFT)と既存の神経心理学的検査(NT)との相関性、および就労などの社会・生活機能に関連する精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)との相関性についても検討を行った。 Sc患者22名を対象とし、NT(JART、TMT、WFT)およびタブレット端末版のPFT(CFF、CRT、CTT-TT、CTT-PAT、RVIP)による認知機能評価、LASMIによる調査を行った。その結果、患者群のPFTにおける認知機能は健常群と比較して有意に低下し、NTのTMT所要時間とPFTの5項目との間にそれぞれ相関性が認められた(r=-0.515,0.640,0.495,0.572,-0.567)。また、PFTのPATおよびRVIPとLASMIの「獲得スキル」(r=0.627,-0.515)と「一定スキル」(r=0.468,-0.699)との間にそれぞれ相関性が認められた。 PFTにより評価された認知機能障害は、社会・生活機能と密接に関連していることが明らかになったことから、PFTはSc患者の実臨床における認知機能を評価する上で、その有用性が高いことが示唆された。今後、対象症例数を増やし、薬剤師による認知機能改善を考慮した薬物療法の提案につなげたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究を実施するに当たり、本研究計画とその実施に関連して、共同研究医療施設を含めた倫理審査委員会の承認を得たこと、統合失調症患者における認知機能障害の評価(精神運動試験)に用いるタブレット端末を購入し、ソフト開発・構築が順調に進んだこと、共同研究医療施設との研究実施体制が整っていたことなどから、既に統合失調症患者22名(50名の予定)を対象に認知機能障害関連の評価が円滑に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、統合失調症患者の症例数をさらに増やし、当初の目標となる50症例までとし、認知機能障害(精神運動試験)の解析を行う。国内外での学会発表(一般演題、シンポジウム)及び海外の学術雑誌への論文投稿等を実施し、研究成果を国内外に発信していく予定である。
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