研究課題/領域番号 |
23K06249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
渡辺 拓也 福岡大学, 薬学部, 助教 (90509647)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 嗅覚 / 易刺激性 / 人参養栄湯 / 漢方薬 / アルツハイマー / SAMP8 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病では嗅覚障害が殆どの患者で認められる。この嗅覚障害は、認知機能障害発症よりも早期に現れるため、嗅覚機能テストはアルツハイマー病診断の特異性向上の一助となっている。従って、嗅覚障害の全貌解明は認知機能障害が現れる以前のアルツハイマー病初期段階の病態解明に繋がると考えられる。さらに、嗅覚障害の予防・治療の確立は、アルツハイマー病発症・進行の予防にも寄与すると期待できる。そこで、アルツハイマー病モデルマウスを用いて、嗅覚障害病態解析と予防・治療薬の評価を行う。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病では認知機能障害よりも早期に嗅覚障害が現れることから、嗅覚検査がアルツハイマー病の強力な早期診断手段として注目されている。一方、嗅覚障害の特性や病態の全貌は未だ不明であり、認知機能障害との因果関係も明らかではない。さらに、治療法も確立されていない。研究代表者は、本課題の前段階としてアルツハイマー病に類似の病理像と認知機能障害を示す老化促進モデルSAMP8マウスが、特徴的な嗅覚反応低下を示すことを初めて観察した。しかし、アルツハイマー病モデルマウスにおいて、SAMP8マウスのような嗅覚反応低下を示すかは不明である。そこで、家族性アルツハイマー病遺伝子変異を有するマウスでの嗅覚反応を評価した。5つの家族性アルツハイマー病遺伝子変異を有する5xFADマウスは、マウスが本能的に嫌悪するにおいに対して回避反応の低下は認められず、SAMP8マウスのような嗅覚反応低下行動を示さなかった。しかし、嫌悪するにおいに曝露された際に、野生型マウスと比較して装置内での不動時間の延長が認められた。この不動時間の延長は、3-4ヶ月齢では認められず、6-7ヶ月齢で認められたことから、アルツハイマー病の病態進行によるものであると示唆された。また、この不動時間延長は、嫌悪臭に対する恐怖反応もしくは警戒反応の増加であると考えられた。以上のことから、5xFADマウスでは嫌悪を示す嗅覚情報に対して易刺激性であることが示唆された。一方、報酬で条件づけしたにおいと無報酬で条件づけしたにおいを用いた嗅覚識別試験では、野生型マウスは報酬で条件づけしたにおいに接触する時間が、無報酬で条件づけしたにおいに接触する時間よりも有意に延長したが、5xFADマウスは両においへの接触する時間に差は認められなかった。このことから、5xFADマウスは嗅覚識別能力または嗅覚に依存する記憶に障害があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
家族性アルツハイマー病モデルマウスの一系統については評価できた点は、計画通りである。しかし、SAMP8マウスの嗅覚神経経路の評価が進んでいない点でやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
アルツハイマー病の原因蛋白とされるアミロイドβを過剰発現する5xFADマウスの評価をこれまで行ったが、タウ蛋白に関する検討は未着手である。そこで、タウ蛋白変異遺伝子を有するアルツハイマー病モデルマウスの嗅覚反応を解析する。また、逆行性神経トレーサーを用いたSAMP8マウスの嗅覚神経経路の解析も未着手であるため、今後の検討にする。
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