研究課題/領域番号 |
23K06264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
鎌田 理代 帝京大学, 薬学部, 講師 (00439564)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | カテプシンG / 乳がん / 担がんマウスモデル / がん悪性化 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、カテプシンG(CG)が悪性度の低いluminal型培養乳がん細胞に特異的にinsulin-like growth factor-1シグナルの活性化を介して細胞凝集体を形成させ、抗悪性腫瘍薬ドキソルビシンへの耐性を付与することを発見した。よって、CGが予後良好なluminal型乳がんの悪性化因子であると確信した。本研究は、これまでin vitroで実証したCGのがん進行促進作用を、乳がん細胞移植マウスを用いてin vivoレベルで証明する。また、がん移植マウスを用いてCGおよびIGF-1シグナル阻害剤からがん進行抑制を持つ化合物を特定し、がん進展の予防薬及び治療薬開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、好中球プロテアーゼであるカテプシンGによるLuminal型乳がんの進行促進作用及び化学療法抵抗性を、in vivoレベルで証明することである。本年度は、luminal型マウス乳がんBALB-MC.E12移植マウスの実験系構築と、遠隔転移を追跡するためのルシフェラーゼ遺伝子安定発現株の作成を行った。乳がん細胞移植マウスについては、BALB-MC.E12細胞のin vivoでの増殖が想定していたよりも遅く、CGの作用を評価するまで至らなかった。担がんマウス作成に汎用されているプロトコールに従ってCG誘導性乳がん細胞凝集体を移植したが、コントロール細胞も共に成長が極めて遅く生着しない個体もあった。そのため、CGの作用が評価できなかった。改善策として、移植するがん細胞数を増やす、または腫瘍の成長促進のためによく使用されるマトリゲルに包埋して移植するなど、安定に腫瘍組織が成長する方法を検討中である。これに加えて、これまでin vitroの実験系でCGの作用の評価に用いてきたヒト乳がん細胞株MCF-7を免疫不全マウスに移植したxenograftをin vivoモデルとすることも視野に入れている。一方、遠隔転移を評価するために用いるルシフェラーゼ発現細胞株の樹立は完了した。今後、マウスへの移植方法が確立され次第、この細胞株を移植したマウスで遠隔転移へのCGの効果を検討する。本年度は学術論文なし。学会発表なし。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用したがん細胞の増殖が、in vivoでは当初想定していたよりもかなり遅く、CGの作用を評価するに至っていない。Luminal型のマウス乳がん細胞株は他にも存在するが、CGに対する反応性を細胞株ごとに検討する必要がある。移植がん細胞数を増やすなど実験系の検討中で、これに時間を要した。実験系の構築ができ次第、CGの作用を検討し、さらに化学療法抵抗性への影響なども検討する予定である。また、これまでのin vitroでの研究には、ヒト乳がん細胞MCF-7を用いていた。そのため、in vivoレベルでの検討もMCF-7を使用する必要があるかもしれない。免疫不全マウスにMCF-7を移植したxenograftを作成して研究を進めることも検討する。
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今後の研究の推進方策 |
がん細胞の移植方法を検討し、腫瘍が安定に成長する方法を早急に確立する。また、増殖の早い乳がん細胞に種類を変更する。これまでの研究ではヒト乳がん細胞MCF-7を用いていたため、免疫不全SCIDマウスにMCF-7を移植したxenograftを用いて研究を進めることも検討する。その後、担がんマウスモデルを用いて、CGによる腫瘍成長促進作用及び化学療法抵抗性を確認する。本年度に樹立したルシフェラーゼ発現細胞を用いてCGの遠隔組織への転移促進作用を検討する。遠隔転移のモデルとしてよく利用されるがん細胞の血管内注入後の肺転移コロニーアッセイにより、組織浸潤作用で転移性を評価することも計画している。
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