研究課題/領域番号 |
23K06267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
河合 聡人 藤田医科大学, 医学部, 講師 (20435150)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 抗菌薬耐性 / β-ラクタマーゼ / 酵素速度論解析 / 分子動力学計算 / X線結晶構造解析 / 薬剤耐性細菌 / β-ラクタム薬 / β-ラクタマーゼ阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
β-ラクタム薬とβ-ラクタマーゼ阻害薬の合剤(BL/BLI合剤)は感染症治療成績を格段に向上させた。しかし、BL/BLI合剤の耐性細菌は存在し、変異型β-ラクタマーゼの関与が散見される。申請者は、BL/BLI合剤の組み合わせについて、分解性や阻害強度など基質としての性質が似ている薬を組み合わせると耐性菌の発現を抑え治療できるのではないか?と考えた。そこで、本研究では変異型クラスC β-ラクタマーゼについて、各種抗菌薬に対する酵素学的、構造生物学的な解析により薬剤耐性機序を原子レベルで解明し、最適なβ-ラクタム薬とβ-ラクタマーゼ阻害薬の組み合わせを打ち出し、実際の耐性細菌でその効果を検証する。
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研究実績の概要 |
薬剤耐性病原性細菌による感染症治療において、β-ラクタム薬とβ-ラクタマーゼ阻害薬の合剤(BL/BLI合剤)はその治療成績を格段に向上させた。しかし、BL/BLI合剤にも耐性を示す細菌は存在し、変異型β-ラクタマーゼの関与が散見される。申請者は、β-ラクタム薬とβ-ラクタマーゼ阻害薬の両者を基質とするβ-ラクタマーゼに対し、分解性や阻害強度など基質としての性質が似ている薬同士を組み合わせれば、耐性細菌の発生率を抑制できるのではないか?と考えた。この仮説の検証のため、まずはCeftazidime/Avibactam合剤の耐性に関与する変異型クラスC β-ラクタマーゼについて、各種抗菌薬に対する酵素学的、分子動力学計算を含む構造生物学的な解析により薬剤耐性機序を4次元の原子レベルで解明する。 本年度はプラスミド性クラスC β-ラクタマーゼCMY-2の4アミノ酸変異体(A114E、Q120K、V211S、N346Y)のCMY-185の酵素速度論解析、分子動力学計算を主に研究を進めた。結果、N346YによりAvibactamの結合を阻害し、A114EとQ120KがN346YのAvibactam結合阻害活性を増強することが明らかになった。また、V211SはCeftazidime分解におけるkcat値を向上させ分解効率を向上させることがわかった。また、X線結晶構造解析で解明していたY346残基の構造変化に加えて、分子動力学計算の結果によりY346以外の置換されたアミノ酸はそれぞれ水素結合または塩橋の分子内相互作用を新たに形成することで酵素表現型を示すことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CMY-185の分子メカニズムを原子レベルで解明することができ、論文として発表することまでできたため。
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今後の研究の推進方策 |
別途進めている他のβ-ラクタマーゼに関して、CMY-185と同様にX線結晶構造解析、酵素速度論解析、分子動力学計算を進める。
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