研究課題/領域番号 |
23K06270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西田 升三 近畿大学, 薬学部, 教授 (40208187)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / ダサチニブ / 耐性 / BCR-ABL1阻害薬 / 治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
BCR-ABL1阻害薬は慢性骨髄性白血病治療の第一選択薬であり、これらの薬剤の登場により5年生存率が改善したものの、30%の患者で薬剤耐性が認められる。この耐性の内、70%はBCR-ABL1阻害薬結合部位での点変異であり、ポナチニブが開発され、この耐性は克服されつつある。しかし、残りの30%の点変異を認めない耐性機序は殆ど解明されていない。予備実験にて、がんの発症に関与する遺伝子であるWNT16、MET、MOS、TPL2が耐性獲得に重要である可能性を見出している。本研究の成果はBCR-ABL1阻害薬耐性患者に対する治療法確立に貢献するとともに、患者の予後改善につながる可能性が考えられる。
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研究実績の概要 |
慢性骨髄性白血病は90%以上でBCR-ABL1タンパクが認められ、このBCRABL1により恒常的に細胞内シグナル伝達が活性化し、白血病細胞が増殖することが病因となっている。近年、BCR-ABL1を標的としたBCRABL1チロシンキナーゼ阻害薬であるダサチニブ及びイマチニブなどにより、5年生存率が飛躍的に改善された。しかし、30%の患者でこれらBCR-ABL1阻害薬に対して耐性獲得が生じ、臨床上大きな問題となっている。このBCR-ABL1 阻害薬耐性の原因には、BCR-ABL1の点変異があり、これにより阻害薬の結合が低下する。この耐性変異に対してポナチニブなどの第3世代チロシンキナーゼ阻害薬が開発され、耐性患者の予後は改善されつつあるが、これらの第3世代の薬剤に対しても耐性細胞が出現する事が臨床上認められており、完全な耐性克服には未だ至っていない。特に、BCRABL1阻害薬耐性患者のおよそ30%にはBCR-ABL1結合部位のアミノ酸点変異を認めない耐性が存在し、MDR1やBCRPなどの薬剤排泄トランスポーターの過剰発現等が報告されているものの、その耐性機序の詳細は未だ不明である。すなわち、これらの点変異を認めないBCR-ABL1阻害薬耐性に対する有効な治療法が無く、患者の生命予後の観点からも、その耐性獲得機序の全解明、そして有効な治療薬の探索が臨床上の急務となっている。本実験では、この点変異を認めないBCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬耐性の機序を解明し、その機序を阻害する分子標的薬を見出すことで、耐性患者の生命予後を改善する治療法を確立する事が本研究の目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダサチニブ耐性獲得機序の一部を解明しているため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度で見出したダサチニブ耐性に関与する因子の機能を解析する。
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