研究課題/領域番号 |
23K06277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岩本 卓也 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30447867)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
加藤 秀雄 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00905432)
平井 利典 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90836363)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フローサイトメトリー / 抗体医薬品 / 薬物血中濃度モニタリング / 一斉分析 |
研究開始時の研究の概要 |
抗PD-1抗体(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)、抗PD-L1抗体(アテゾリズマブ)、抗CTLA-4抗体(イピリムマブ)、抗VEGF抗体(ベバシズマブ)、抗IL-6抗体(トシリズマブ)、抗TNFα抗体(アダリムマブ、インフリキシマブ)、IL-12/IL-23p40(ウステキヌマブ)について、フローサイトメトリー法を用いた薬物血中濃度測定系を作製する。「医薬品開発における生体試料中薬物濃度分析法のバリデーションに関するガイドライン」に基づき、検量線、検出下限、真度、精度を評価する。臨床研究にて、がん患者及び炎症性腸疾患における上記の抗体医薬品の血中濃度を測定し、診療へ適合性を評価する。
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研究実績の概要 |
抗体医薬品は、低分子医薬品よりも薬物体内動態における個体間変動が小さいと考えられていたが、近年、炎症性疾患を中心に血清中濃度の個人差が大きいことが報告され、モニタリングの重要性が示唆されている。本研究では、抗原補足用ビーズ、検出用抗体を用いたフローサイトメトリー法を用いた新しい技術により、日常診療に応用可能な高い抗体医薬品の複数成分の同時測定法を開発することを目的に実施している。初年度は、抗VEGF抗体薬の測定系の作成に着手した。まず、Human VEGF Flex Setを用いて、抗VEGF抗体を表面に発現した補足用ビーズとVEGF標準液(312.5-2500 pg/mL)を反応させ、PEラベル抗VEGF抗体にてVEGF標準液を補足し定量した。その結果、VEGF濃度依存的にPE蛍光強度の上昇がみられ、測定系に用いるVEGFは2500 ng/mLとした。次に、血清中に溶解した抗VEGF薬(アバスチン)の定量を行い、20 ng/mL-800 ng/mLにて検量線を作成した。定量限界は20 ng/mLであり、定量限界における同時再現性(n=5)および日差再現性(n=5)は20%未満であった。また、0 ng/mLにおける平均蛍光強度は20 ng/mLの2.4%(n=5)であり、検出下限の20%未満であった。種類の異なる5種類のブランク試料においても平均蛍光強度は検出下限の20%未満であり、選択性試験の条件を満たした。50 ng/mL, 500 ng/mL, 800 ng/mLにおける同時再現性(n=5)および日差再現性(n=5)についても15%未満であった。以上のように、抗VEGF薬20 ng/mL-800 ng/mLにおける血清中濃度の測定系は、「医薬品開発における生体試料中薬物濃度分析法のバリデーションに関するガイドライン」で定められる基準を満たしており、良好な結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗VEGF抗体薬の血清中濃度測定系を作成し、その測定精度を評価することができたため、概ね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、まず、作成した抗VEGF抗体薬の測定精度について、別ロットの試薬にて確認する。人を対象とした臨床研究について、研究計画書を作成し、抗VEGF抗体薬を使用している患者10名について血清中濃度を確認する。日本人の患者における血清中の抗体VEGF抗体薬濃度と臨床試験(第Ⅱ相あるいは第Ⅲ相試験)における血清中の抗VEGF抗体薬濃度とを比較する。実施した臨床試験投与量当たりの血清中濃度が各薬物の規定範囲内であることを適合基準として評価する。臨床検体での測定検証を含め、論文を作成する。 同様に、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体についても測定系を作成し、測定精度、臨床検体による検証を進める。
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