研究課題/領域番号 |
23K06278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大村 友博 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (00439035)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / microRNA / ユビキチンリガーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病において運動機能を客観的に評価することは難しく、特定分子の発現量測定により運動機能等を評価できれば、診断・治療に有用である。申請者はパーキンソン病とユビキチンリガーゼHRD1、安定化分子SEL1Lとの関連について研究を行い、HRD1やSEL1Lがパーキンソン病モデルで細胞保護効果を示すこと、microRNAの一つであるmiR-101がSEL1Lの発現制御を介してパーキンソン病モデルにおける神経細胞死に影響を与えることを報告した。そこで、miR-101やSEL1L/HRD1等の発現量測定が運動機能評価の指標の一つとなり得るか検討することとした。
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研究実績の概要 |
現在のパーキンソン病(PD)治療は、抗コリン薬等の他の作用機序に基づく薬物も使用されるが、レボドパによる対症療法が主である。しかし長期レボドパ症候群等の副作用発現リスクがあるため、新たな作用機序に基づく治療薬の開発が期待されている。申請者はこれまでPDとユビキチンリガーゼHRD1、安定化分子SEL1Lとの関連性について研究を行い、HRD1やSEL1LがPDモデルで細胞保護効果を示すこと、さらにmicroRNAの一つmiR-101がSEL1Lの発現を直接制御し、PDモデルにおける神経細胞死に影響を与えることを報告した。今回、miR-101がHRD1に与える影響について検討した。 6-OHDAを用いて作製したPDモデル細胞にmiR-101のmimicを遺伝子導入したところ、6-OHDA刺激によって発現量が上昇したSEL1Lが減少したが、同じく発現量が上昇したHRD1も減少することが明らかとなった。また、PDモデル細胞にmiR-101のinhibitorを遺伝子導入したところ、SEL1Lの発現量だけでなくHRD1の発現量もさらに上昇することが明らかとなった。SEL1LはHRD1の安定化因子として知られており、miR-101によるSEL1Lの発現量の変化に伴いHRD1の発現量も変化することが示唆された。 一方、miR-101を抑制しSEL1Lを活性化する化合物を探索したが、良好な結果が得られなかったため研究アプローチを変更し、まずはSEL1Lを活性化する化合物を探索することとした。in silicoで探索したところ、Luteolinが抽出され、SEL1Lの発現量が増加することが確認された。そしてLuteolinは、PDモデルにおける神経細胞死を抑制することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学院生が増加し(修士課程含む)、本研究に本格的に参画することができるようになったことに加え、いくつかの実験を並行して効率よく行うよう体制を変更し、進捗が認められた研究を優先的に行うようになったため。 研究アプローチを変更したため、一部の実験が遅れているが、現在鋭意進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、PDモデルラットを作製し、血漿中のmiR-101発現量が変化するか検討する。また、HRD1の発現量に変化を与えるmicroRNAを探索する。 また、LuteolinがHRD1に与える影響について検討するとともに、PDモデルラットに対する影響についても検討する。そして、LuteolinがmiR-101に影響を与えるかについても検討する。
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