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高感度かつ早期診断可能な薬剤性ヒト肝障害発現リスク検出システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K06280
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関山口大学

研究代表者

北原 隆志  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30380934)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード肝障害性薬物 / 非肝障害性薬物 / キメラマウス / miRNA / 遺伝子変動倍率 / 薬剤性ヒト肝障害 / バイオマーカー
研究開始時の研究の概要

ヒト肝細胞に高度に置換された肝臓を持つヒト肝キメラマウスを用いたヒトマイクロRNA(miRNA)の発現解析の結果を基に、臨床研究を進め、薬剤性肝障害のバイオマーカー候補となるmiRNAの発現量を精査することにより、肝障害リスクとmiRNAの関係を明らかにする。さらに、バイオマーカーとして有用性が示唆されたmiRNAが標的とするタンパク質断片の解析を行い、ペプチドマーカーの探索も進め、医薬品の実臨床使用時において、現在不足している安全性情報として利活用できる新規バイオマーカーを用いた薬剤性肝障害早期検出システムを確立・発信する。

研究実績の概要

先行実験の検証試験を実施した。肝障害性薬物(hTOX)として8薬剤、非肝障害性薬物(non-hTOX)として、3薬剤を対象薬とした。対象薬をヒト肝細胞に高度に置換された肝臓を持つヒト肝キメラマウスに1日1回3日間経口投与した。最終投与の24時間後にキメラマウスを下大静脈から採血致死し、肝臓を採取した。得られた血液および肝臓より、RNA試料を調製し、薬物代謝・解毒に関連するmiRNAおよび遺伝子発現解析を実施した。hTOX群とnon-hTOX群の遺伝子発現量を比較し、遺伝子変動倍率(FC:fold-change)を求め、ヒートマップを作製した。miRNA及びmRNAの統合解析を行い、hTOX処理においてコントロールと比較してFCが1.5倍以上、有意に発現が上昇もしくは減少したmiRNAは209種類であった。これらのmiRNAのうち、nonTOX処理により、有意な変動を示さない遺伝子は36種類であった。さらに、8種類のhTOX薬物のうち、4種類以上で一貫した発現変動が見られるmiRNAは22種類であった。再現性の確認のため、同様の投与条件で8種類のhTOX薬物をヒト肝細胞キメラマウスに投与し、遺伝子解析した。その結果、1回目と共通する4種類のmiRNA(miR-4306、miR-340、miR-1237、miR-3149)が抽出された。これらのmiRNAとDILIとの関連は不明であるが、DILIのリスク予測マーカーとしての可能性を示唆している。今回抽出された4種類はすべて、他の研究により血中に分泌されることが確認されている。さらに、miR-340及びmiR-1237はマウス及びヒトに共通して発現するmiRNAであるのに対し、miR-4306及びmiR-3149は霊長類特異的に発現するmiRNAであることから、ヒト肝細胞由来の変動であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先行実験の検証試験を実施し、動物実験において再現性のあるリスク予測マーカーとなり得るmiRNAを抽出することができた。

今後の研究の推進方策

発現量変動が認められた4種類のmiRNAについて、ヒト血漿でのmiRNA発現量の確認を行う。研究協力者が在籍する長崎大学病院においてヒト血漿検体の保管は進行中であることから、次の研究段階にスムーズに進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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