研究課題/領域番号 |
23K06288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
桧貝 孝慈 東邦大学, 薬学部, 教授 (70297711)
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研究分担者 |
永井 英成 東邦大学, 医学部, 臨床教授 (30349899)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肝細胞がん / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「肝細胞がんにおける可溶性MICAによるATZ+BV併用療法による治療予測を可能とするバイオマーカーの臨床的検討」および「ADAM-9の制御機構の解析および免疫チェックポイント阻害剤に対する抗腫瘍免疫効果促進薬の開発」を基礎研究者と臨床研究者(医師)の共同研究により明らかにすることである。共同研究の遂行により「基礎からの基盤的検討と臨床からの多面的臨床検討」が可能となり、基礎からのトランスレーショナルなアプローチに加え、臨床からのクリニカルクエスチョンの解決が可能となる。
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研究実績の概要 |
基礎検討として、肝細胞がん細胞株HepG2を用いて、細胞膜上MICAの発現上昇を誘導し、抗腫瘍免疫を増強させる可能性のある「イムノケミカルモジュレーター(抗腫瘍免疫効果促進薬)の開発」を目指した基礎的検討を各種抗がん剤を用いて行った。各抗がん剤による細胞生存率が90%程度の濃度を決定し、その濃度で刺激した際のADAM-9およびMICA mRNA発現量をreal-time PCRにて測定したその結果、Doxorubicin(DOX)刺激によりADAM-9およびMICAのmRNA発現量の増加傾向が認められた。そして、MICAおよびADAM-9 タンパク質発現量をウェスタンブロットにて測定した結果、ADAM-9およびMICAのどちらも上昇傾向が認められた。これらの結果より、DOX刺激によりADAM-9 mRNAおよびタンパク質発現量は増加しているが、細胞膜上のMICA量は増加していることが明らかとなった。以上の結果から、低濃度のアンスラサイクリン系薬剤により細胞内ROSが生成され、ADAM-9およびMICA発現が増加する可能性が示唆された。 臨床的検討としては、患者血清中の可溶性MICAおよびFGF-19、FGFR4、MHC classⅠ、c-Met、HGF濃度と、アテゾリズマブ/ベバシズマブ治療での奏効率を考察することで、バイオマーカーの可能性を探索した。検討結果より、治療前の可溶性MICAおよびFGF-19が高値を示す症例および可溶性FGFR4が低値を示す症例は、アテゾリズマブ/ベバシズマブ併用療法に対する抵抗性が高いことが示唆されたことから、バイオマーカー候補となる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究実施計画である、1)ADAM-9およびMICAの制御機構の解析およびその阻害剤による腫瘍免疫効果促進薬の開発 2)肝細胞がんにおけるアテゾリズマブ/ベバシズマブ併用療法に対するバイオマーカーの検討について、順調に結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、基礎的検討として引き続き「イムノケミカルモジュレーター(抗腫瘍免疫効果促進薬)の開発」を継続して検討を重ねるとともに、他の候補薬剤への応用も踏まえ、あらたな制御機構の検討を行う予定である。 臨床的検討としては継続してアテゾリズマブ/ベバシズマブ併用療法に対するバイオマーカーの検討を行うとともに、現在新たに肝細胞がんに適応となったデュルバルマブ+トレメリムマブ療法についても、患者血清中可溶性MICAやGF-19、可溶性FGFR4がバイオマーカーとなりうるかどうかの検討を行う。
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