研究課題/領域番号 |
23K06342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
村上 学 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80302090)
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研究分担者 |
富田 泰史 弘前大学, 医学研究科, 教授 (00431437)
三好 一郎 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10183972)
竹島 浩 京都大学, 薬学研究科, 教授 (70212024)
長友 克広 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30542568)
丹羽 康貴 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40590071)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カルシウム / イオン / マウス / 腎臓 / 多発性嚢胞腎 / TRPP |
研究開始時の研究の概要 |
多発性嚢胞腎は進行性の多発性嚢胞腎を特徴とするが, 高血圧, 交感神経トーヌスの亢進, 内皮細胞機能異常に伴う血管抵抗上昇など, 心血管系の合併症が死因となる場合が多い. PKDモデル動物における cAMP 増加が知られるが, PKD分子と心筋内cAMPとの関係は, 理解が進んでいない. そこで, PKD分子中, 心筋に発現が多いTRPP3のチャネルポアを欠くdominant-negative 遺伝子を構築し, 過剰発現マウスを作製する. このマウスを用いて交感神経刺激下, 心筋の収縮力や活動電位を評価し, TRPP3の心筋における役割を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、多発性嚢胞腎(PKD)関連分子であるTRPP3チャネルの“心筋における交感神経情報伝達系(cAMP系)への関与”を解明することである。PKDは進行性の多発性嚢胞腎を特徴とするが、高血圧、交感神経トーヌスの亢進、内皮細胞機能異常に伴う血管抵抗上昇など、心血管系の合併症が死因となる場合が多い。 TRPP3のチャネルポアを欠くdominant-negative 遺伝子を構築した。作製した変異遺伝子(dnTRPP3遺伝子)をマウス雄性前核に注入し、dnTRPP3過剰発現マウスを作製した。このトランスジェニックマウスは2系統(A, Bライン)作製したが、組み込まれた遺伝子数が多い系統を用いて循環器系の解析を行った。心筋における変異遺伝子の過剰発現(RT-PCR)を確認後、タンパク分子として変異TRPP3過剰発現していることをWestern法で確認した。 このマウス系列を用いて交感神経刺激下、心筋の収縮力や活動電位を評価し、TRPP3の心筋における役割を解析した。 心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。dnTRPP3過剰発現マウスの心電図において、 上室性期外収縮が起こることを見出した。他に、陽イオンチャネルの一種類である電位依存性カルシウムチャネルサブユニット間の新規結合部位を自らが開発した手法を用いて同定した(Murakami et al., Sci.Rep. 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トランスジェニックマウスを2系統(A, Bライン)作製する事に成功し、心筋における変異遺伝子の過剰発現(RT-PCR)を確認後、タンパク分子として変異TRPP3過剰発現していることをWestern法で確認した。心筋における遺伝子発現を解析したところ、dnTRPP3過剰発現マウスの心筋において交感神経β1およびβ2受容体の遺伝子発現が増加していた。dnTRPP3過剰発現マウスの心電図において、 上室性期外収縮が起こることを見出した。研究報告もいくつか論文発表しており順調である。
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今後の研究の推進方策 |
トランスジェニックマウス作製に成功し、変異遺伝子過剰発現マウスの解析も順調に進んでいる。今後、さらに循環器系の解析を続行する。
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