研究課題/領域番号 |
23K06347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
崎本 裕也 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40634390)
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研究分担者 |
美津島 大 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264603)
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70432739)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 海馬 / シナプス / GABAA受容体 / hippocampus / learning |
研究開始時の研究の概要 |
文脈学習はGABAA受容体を介する抑制性シナプスも急速的に強化し、シナプス入力を多様化する。申請者は、GABAA受容体のβ3サブユニットの細胞質内loopに存在する408と409番目のSerineが課題訓練後1分以内にリン酸化し、このリン酸化がGABAA受容体シナプス移行、シナプス強化、学習を成立すると仮説立てた。しかし、数分の時間窓でβ3 Ser408-409リン酸化阻害する手法は未だになく、学習やCA1シナプスへの影響も不明である。今回、473nm青色光で制御可能なLOV2-Jαタンパクを応用し、光応答性GABAA受容体β3Ser408-409リン酸化阻害ペプチドを開発する。
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研究実績の概要 |
文脈学習は、CA1錐体細胞におけるAMPA受容体のシナプス移行だけでなく、GABAA受容体を介する抑制性シナプスも急速的に強化し、シナプス入力を多様化する。研究代表者は、GABAA受容体のβ3サブユニットのintracellular loopに存在する408と409番目のSerine (β3 Ser408-409) が課題訓練後1分以内にリン酸化し、このリン酸化がGABAA受容体シナプス移行、GABAAシナプス強化、記憶形成に必要であると仮説立てた。この急速的なGABAA受容体活性の光制御機構の開発を本計画の目的としている。光制御機構として、植物由来LOV2タンパクを用いた光応答性ペプチド活性機構を用い、ペプチド活性を光制御することで受容体発現促進/阻害を目指す。既に我々はGABAA受容体のシナプス移行阻害の可能性がある候補ペプチドを見出し、slice patch clamp法、免疫染色、in vivo microinjectionでその効果も一部検証済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
我々は受容体発現を阻害する新規のペプチド配列を発見した。slice patch clamp法において、ラット海馬CA1ニューロンにおいてGABAA受容体由来の抑制性シナプス電流を減少し、蛍光免疫染色では海馬ニューロンの細胞体に集積するGABAA受容体β3サブユニットの発現を阻止した。また、westernblotting法で、GABAA受容体β3サブユニットSer408-409リン酸化の阻止も確認した。このペプチドをラット背側海馬へin vivo microinjectionすると文脈学習の成績を低下した。以上、本計画は予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
急速的なGABAA受容体活性の光制御機構を開発を目指し、候補となるペプチド配列の検証を一部終えた。今後は、質量分析を用いてより詳細にペプチドとタンパク結合を検証する。その検証が終われば、光制御機構として、植物由来LOV2タンパクとペプチドを遺伝工学的に融合し、光応答性GABAA受容体阻害ペプチドを開発する。この新規光応答性ペプチド効果はwhole cell patch clamp法、蛍光免疫染色、westernblotting法、質量分析、ラット背側海馬へのin vivo microinjection、学習実験、バッテリーテストを用いて分子レベルから個体レベルへ網羅的に検証する。
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