研究課題/領域番号 |
23K06382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
磯野 協一 和歌山県立医科大学, 共同利用施設, 准教授 (90323435)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 細胞老化 / ポリコーム / Ink4a / MEF / ゲノム編集マウス / 発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、細胞運命決定期のクロマチン機能制御因子ポリコーム群複合体を研究対象とし、細胞老化に抗う分子機構を明らかにする。細胞老化は主にがん抑制遺伝子INK4aの発現によって起こる不可逆的な細胞周期停止として定義されるが、老化の初動では可逆性を保持していることが知られている。しかしながら、その可逆性を残す意義や仕組みについては不明である。本研究では、新規のPHC2点変異型マウスを活用することで、老化開始期でおこるINK4a遺伝子の活性化に抵抗するポリコーム群複合体の役割を探究する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、クロマチン制御因子ポリコーム群複合体を研究対象、マウス胚由来線維芽細胞(MEF)を実験材料とし、細胞老化に抗う分子機構を明らかにすることである。細胞老化は主にがん抑制遺伝子p16Ink4aの発現によって起こる不可逆的な細胞周期停止であるが、老化の初動では可逆性を保持していることが知られている。しかしながら、その可逆性の意義や仕組みについては不明である。申請者は、ポリコーム群PHC2の新規点変異(EK)マウス由来のMEFが培養4日目でp16Ink4a遺伝子の発現が選択的に著しく上昇する現象に着目し、そこに介在する動態を究明するために次の課題に着手した。 <RNAシーケンス解析によるp16Ink4a遺伝子選択的活性化の確認> 培養4日目の野生型とEK点変異型MEFにおいて全ポリコーム群標的遺伝子の抑制状態に顕著な違いは確認できなかったことから、EK点変異によるp16Ink4a遺伝子選択的抑制解除は示唆された。 <老化過程におけるp16Ink4a遺伝子座上でのポリコーム群ダイナミクスの調査> 老化過程MEFの免疫沈降/ウエスタン解析およびクロマチン免疫沈降法によってPHC2とその結合パートナーであり抑制的クロマチン修飾を担うRING1Bとの結合度合いを調査した。PHC2とRING1Bの結合レベルは培養初日では野生型とEK点変異型に違いが見られなかったが、4日目でその結合は減少した。PHC2-RING1B結合の弱まりがp16Ink4aの活性化に寄与したと考えられる。 <DNA損傷誘導性PHC2リン酸化と老化誘導性p16Ink4a発現との関係調査> EK点変異とリン酸化部位点変異との2重点変異マウスを作製し、その由来MEFを解析したが、EK点変異型と同様の培養4日目p16Ink4a選択的活性化を確認した。この実験からはDNA損傷誘導性老化との関わりを見出せなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した計画として、①老化過程におけるRNAシーケンス解析、②老化過程におけるPHC2-RING1B結合解析、③老化過程におけるクロマチン沈降シーケンス解析、④p16Ink4a活性化因子枯渇条件下での解析、④低酸素条件下での解析、⑤DNA損傷誘導性PHC2リン酸化とEK点変異との関係解析が挙げられる。そのうち①、②、⑤を実施し、一定の結論を導いている。
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今後の研究の推進方策 |
既出の③を実施することでEK点変異によってp16Ink4a遺伝子が早期に脱抑制した分子機序の作業仮説を立てる。そして詳細な解析により仮説を立証する。平行して行う④の結果により、補完をおこなう。令和6年度中に研究論文の根幹データを揃え執筆作業に着手する。
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