研究課題/領域番号 |
23K06386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
井田 智章 大阪公立大学, 研究推進機構, 特任准教授 (70570406)
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研究分担者 |
守田 匡伸 東北大学, 医学系研究科, 講師 (10519094)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 超硫黄 / システインパースルフィド / アミノアシルtRNA合成酵素 / 超硫黄分子 / パースルフィド合成酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
システインパースルフィド(CysSSH)に代表される超硫黄分子は、生体内に豊富に生成され、酸化ストレスに起因する様々な病態・疾患に対して防御的機能を発揮している。最近、このCysSSH生成活性がシステインtRNA合成酵素だけでなく他の多くのアミノアシル-tRNA合成酵素 (ARS)にも認められ、この生成系が生物種を超えて保存されていることを予備的に見出した。本研究では、全生物種が有するARSが新規パースルフィド合成酵素として機能していることを酵素反応論により検証し、各種ARS遺伝子改変バイオリソースを用いて、新たなパースルフィド合成反応機構とその生理機能を解明する。
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研究実績の概要 |
システインパースルフィド(CysSSH)に代表される超硫黄分子は、生体内に豊富に生成され、酸化ストレスに起因する様々な病態・疾患に対して防御的機能を発揮している。研究代表者らは、質量分析装置を用いた硫黄メタボロームを確立して、CysSSH生合成系としてシステインtRNA合成酵素(CARS; 翻訳関連酵素の一つ)を同定し、CARS由来の超硫黄分子がレドックスシグナルやエネルギー代謝などの多彩な生理活性を担っていることを報告してきた。しかしながら、超硫黄分子の生合成系の全貌解明には至っていない。そこで本研究では、全生物種が有するアミノアシルtRNA合成酵素(ARS)が新規パースルフィド合成酵素として機能していることを酵素反応論により検証し、さらに、各種ARS遺伝子改変バイオリソースを用いてエネルギー代謝や寿命等を解析することで、新たなパースルフィド合成反応機構とその生理機能を解明する。 本年度は、まず、CARSによるCysSSH合成活性制御機構を探索するなかで、CysSSH合成活性中心であるPLP結合部位の周辺アミノ酸配列を変異した変異体CARSを合成・精製し、そのCysSSH合成活性を解析した。その結果、PLP結合部位の周辺アミノ酸配列は生物種横断的に高く保存されており、この周辺アミノ酸配列によってCysSSH合成活性が制御されていることを見出した。 次に、大腸菌CARSの酵素反応機構を解析する中で、CARSだけでなく、各種組換えARSを合成・精製し、それらのCysSSH合成活性を検討した結果、ロイシルtRNA合成酵素を筆頭に他の多くのARSにもパースルフィド産生能があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸菌由来のCARSのCysSSH合成制御機構を解明するために、PLP結合量とCysSSH合成量が相関することを示した。またPLP結合周辺アミノ酸配列が生物種横断的に高く保存されていることを見出した。さらに、このPLP結合周辺アミノ酸配列がPLP結合量を制御しており、それによって、CysSSH合成活性が制御されていることを見出した。 一方、CARS以外の超硫黄生成機構を探索するなかで、大腸菌CARSだけでなく、各種組換え大腸菌由来ARSを合成・精製し、それらのCysSSH合成活性を検討した結果、ロイシルtRNA合成酵素を筆頭に他の多くのARSにもパースルフィド産生能があることが示された。
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今後の研究の推進方策 |
ARSによる生物種横断的CysSSH合成能を検討する。 ARSによるパースルフィド産生における基質特異性を速度論的解析により明らかにすることで、CARSやARSによる超硫黄産生と代謝制御が、どの程度、生物種普遍的であるのかを解明する。 各種ARSのパースルフィド合成機構を解明する。
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