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ALS病因タンパク質FUSのm6A修飾認識タンパク質としての機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K06392
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分48040:医化学関連
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

米田 竜馬  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00734881)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードFUS/TLS / m6A修飾 / RNA methylation / m6A / LLPS / lncRNA
研究開始時の研究の概要

神経細胞において、FUSが細胞質で液滴や不溶性の凝集体を形成することが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)発症の一因だと考えられている。申請者は、細胞にストレスを与えることでFUSの液滴形成を再現し、そこにRNA断片を導入すると液滴形成を阻害できることを見出した。さらに、導入するRNAにm6A修飾を入れると、阻害効果が高まることを明らかにした。以上から、FUSがm6A修飾認識タンパク質として機能し、m6A修飾RNAとの結合により、FUSの液滴や凝集体を分散できるのではないかと考えた。本研究は、FUSとm6A修飾RNAとの相互作用が細胞機能に及ぼす影響を解明し、ALSを標的とした核酸医薬シード配列としてのm6A修飾RNAの可能性を検証するものである。

研究実績の概要

本研究では、ALS病因タンパク質FUSとm6A修飾RNAとの相互作用による機能解析を目的とする。FUSは、変異やストレスにより細胞質で液滴や不溶性の凝集体を形成し、これが神経細胞で起こることが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)発症の一因だと考えられている。申請者は、細胞にストレスを与えることでFUSの液滴形成を再現し、そこに長鎖非コードRNA由来のRNA断片を導入すると液滴形成を阻害できることを見出した。さらに、導入するRNAにm6A修飾を入れると、その阻害効果が高まることを明らかにした。以上から、FUSがm6A修飾認識タンパク質として機能し、m6A修飾 RNAとの結合により、FUSの液滴や凝集体を分散できるのではないかと考えた。FUSを各ドメインに分断してm6A修飾との結合を観察したところ、N末端にあるLCドメインが、FUSのm6A修飾認識に重要であることを見出した。またFUS抗体によるRIPと、m6A抗体によるRIPの結果を比較し、FUSが細胞内でも実際にm6A修飾RNAの多くと相互作用していることを発見した。次年度以降はFUSのLCドメインにおけるm6A修飾認識ドメインをさらに詳細に絞り込み、FUSのm6A修飾タンパク質としての機能を追求していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

FUSのm6A修飾を認識する領域の絞り込みに成功しているためである。
FUSはN末端側からLC、RGG、RRM、NLSのドメインを持っているが、各領域においてFUSとの結合がRNAのm6A修飾により変化したのがLCドメインであった。その他の領域は20塩基のRNAに関して、RNA修飾の有無に関わらず、結合の強さは変化しなかったが、LCドメインはm6A修飾を入れたRNAで顕著に強い結合を示した。また、FUS抗体とm6A抗体のRIPの結果を比較することで、FUSが細胞内でも実際にm6A修飾RNAのReaderとして機能していることを見出した。

今後の研究の推進方策

FUSのm6A修飾において重要な領域をさらに絞り込んでいく。
FUSのLCドメインは214個のアミノ酸からなるので、その一部を削ったコンストラクトを作成し、m6A修飾RNAとの結合を観察する。数十アミノ酸まで絞れた場合は、crispr/cas9システムを用いて、細胞内のFUSに変異を入れて、m6A修飾RNAとの結合の変化や、ターゲットとなるRNAの候補を探索する。数アミノ酸まで絞り込むことができれば、そこに変異を入れたコンストラクトを作成する。
また、FUSのm6A修飾認識配列の同定にも取り組む。m6A修飾はGGACUという配列のAに入りやすいが、数あるreaderがどのように結合するm6Aを判別しているのかは明らかになっていない。そこで細胞のtotal RNAを断片化し、FUSとm6A抗体によるRIPを行うことで、FUSが相互作用するm6A修飾RNAのモチーフ検索を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Essential Components of RNA Binding Domain of TLS/FUS2024

    • 著者名/発表者名
      Ueda Naomi、Yoneda Ryoma、Kurokawa Riki
    • 雑誌名

      Biomedical Sciences

      巻: 10 号: 2 ページ: 30-43

    • DOI

      10.11648/j.bs.20241002.13

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] m6A修飾認識タンパク質としてのTLS/FUS2023

    • 著者名/発表者名
      米田竜馬、上田奈緒美、黒川理樹
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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